2019年10月10日

公共財の過少供給としての少子化

出生数90万人割れのニュースを受けて、2014年に『金融ジャーナル』に載せていただいた記事を思い出しました。タイトルは「規制緩和は少子化対策にならない」ですが、要諦は、少子化=市場の失敗=公共財の過少供給という主張です。

 20世紀前半までは女性差別を背景に"安価に"子どもを産み育てる経済体制であったわけです。20世紀後半に女性差別をやめる経緯をたどったのだから、それに合わせ、子育て部分は公共化する必要もあったのです。しかし結局、伝統的価値観をもつ有権者の多数や政治家たちには、その発想の転換ができなかった。これが失敗の本質でしょう(あくまで、少子化が問題だという前提をとるなら、です)。

『金融ジャーナル』(2014年5月号)に載せていただいた
論考です。出生数90万人のニュースを受けて。
記事内容は以下のとおりです。
アベノミクス以前に海外機関投資家と話をすると「日本には3つの課題がある」と言われることがよくある。1つ目は20年続く株安、2つ目は強すぎる円、そして最後は少子高齢化による人口減少だ。
 はじめの課題2つは少なくとも目先では解消されたようにもみえる。より重要で深刻な3つ目の課題を考える際、これまで経済メディアが気づかなかった論点を取り上げたい。特に少子化対策として挙げられる育児支援策について考える。
 日本の将来を見据え、働く女性を増やしたい、出産後も働き続けられるように保育所を増やすべき…といった主張をよく目にするようになった。経済メディアで挙がる処方箋はほとんどすべてが「規制緩和」。保育園運営への参入規制をゆるめたり、保育士の資格をもつ職員の比率を下げたり、職員1人当たりの子どもの数を増やしたり、同じ部屋にたくさんの子どもを詰め込んだり。要するに保育園に関する規制を緩め、質の悪い保育園をつくることを許可すれば、保育ビジネスへの参入が増え、親が子どもを預けて働きやすくなる、という理屈だ。

 私はこういう主張を見るたび、保育園を利用する働く親として苛立ちを覚えます。子どもの安全や発育を軽視するいいかげんな主張であるだけでなく、このような規制緩和をすれば問題は解決するという発想が、単に経済学的に間違っているからだ。
 経済学者である私は、市場原理信奉者でもあるわけで、そんな私が規制緩和に懐疑的なのを意外に思われるかもしれない。しかし、規制緩和を主張する論者は経済学者や経済学の知識を振りかざす人たちだが、その多くは経済学の基本的理解が浅いとしか思えない。ここでキーワードになるべきは「公共財」と「外部性」だ。

 公共財とは、多くの人が広く便益を享受する財・サービスのことで、おカネを払う当事者以外の人も、そこから恩恵を受ける。外部性とは、費用を負担していない第3者にも便益がおよぶ財の性質である(これを正の外部生という)。市場経済では、公共財や正の外部性をもつ財は適切に供給されず、社会的にみて過少にしか生産されない。これは公共財の過少供給という「市場の失敗」として経済学の教科書に必ず登場する現象だ。
 したがって、政府が税金という形で強制的に費用を徴収し、政府自身が公共財を追加的に生産・供給したり、生産者に補助金を与えたりすることで、その市場の失敗を補正すべきだと考えられており、現実の政策もこうした理論を根拠にしている。
 公共財と外部性、そして過少供給というキーワードで少子化問題を考えれば、新しい視点が開けるだろう。少子化が経済社会の根本を揺るがすというのであれば、子どもも公共財といえよう。あるいは、家族だけでなく社会全体に正の外部性をもたらす財なのだ。小学校や保育園など、子どものための財政支出はなされているが、まだまだ市場原理に任されている部分が多いために、公共財としての子どもの過少供給が起きている―――これが少子化の本質だ

 これまで子どもの数を維持するための政府介入はそれほど必要ではなかった。かつては女性差別にのっとって、家事労働や育児を女性に安価で担わせていた面があったからだ。20世紀後半の女性差別撤廃は、まさに人権の回復過程であるが、経済的な観点から見れば規制緩和に他ならない。女性の職業を原則として育児や家事に限定する規制(人権の観点からみれば性差別)がなくなったのと同じことが起きたのだ。労働者を解放したのだから、その結果として当然、子育ての機会費用があがっていった。
 もし本当に日本の経済社会が子どもを必要とするなら、その子育て費用を親や家庭だけでなく社会が負担する必要がある。子ども関連に財政支援を与えることは、人権や福祉の問題ではもはやなく、市場原理や経済学の観点から見ても、当然の帰結である。
 ところが、子育て関連の財政支出はさほど伸びていない。たとえば、OECD各国の家族や子ども関連支出を見ると、日本における「子どもの過少供給」の要因がわかる。日本は未就学児への社会支出(教育・社会保障給付など)がOECD加盟国で最低水準だ。一1人あたりの支出が1位のルクセンブルグで年間11万7000ドルに対し、日本は32カ国中28位で1万9000ドルに留まる。日本よりも少ないのは、韓国、ポーランド、チリ、メキシコ。
 日本の未来を担う世代であり経済社会を支える子どもを増やしたいのならば、相応のコストを払わなくてはいけない。それは子育てにかかる費用を財政によって支えることにほかならない。財政的な裏付けもないままに、規制緩和でどうにかしようというのは甘い話だ。

「子育て」というと、ソフトな“女・子供の”話だと思うかもしれない。けれどもそれは、経済成長を決める一分野である。今の日本が抱えている大きな問題は、そのことに気づいていない、ということだ。失われた20年の最大の失敗は「子どもが公共財であることに気づかなかったこと」。手遅れになる前に、行動を起こそうではありませんか。(2014年5月)

以上です。手遅れになってしまったのでしょう...。

「これぞ大学で出会いたかった授業」早稲田政経『実験経済学』

早稲田大学の学生さんとは非常に相性がよくて、絶賛コメントをたくさんいただきました。「この先生の講義を聴けることが大きな財産」、「学問を楽しいと感じられる政治経済学部で唯一の授業」など(こちらに抜粋しています)。(追記:早稲田大学ティーチングアワード総長賞をいただけることになりました、大変光栄です。)
 あるいは「自分が普段何も考えずに生きていたか、自分の無知さを再確認することができた。もっと勉強を重ねて色んな分野の知見を広げていきたいと初めて感じさせてくれる授業だった」。
「うまい棒」で人気をとってるわけではないので、
このエントリーを書かせていただいております。
早稲田大学政治経済学部で2009年に開講された『実験経済学』を11年間にわたって非常勤講師として担当させていただき、これまで延べ3790人が受講してくれました。学生のみなさんや、関係する先生方には本当にお世話になりました。絶賛していただいたコメントには私もそれなりにうなづくものがあります。(注:シラバス自体は標準的で、「実験経済学」の内容として市場実験、利他性、公共財、リスク選好・時間選好などを紹介しています。)

 自画自賛は多分に含みつつも、早稲田の学生さんがくださった絶賛コメントを紹介しつつ、どのような取り組みが高く評価されるのか、そしてそれはなぜなのかを以下ですこしだけ紹介します。大学教育に携わるみなさまや、大学で経済学を学ぶ方にすこしでもお役に立てることを願います(自画自賛で読むに堪えないという方は、どうか読み進めないでください)。

5つの”特長”

コメントから講義を自己分析しますと、評価要因は大きく5つにあるようです。

1. 経済学の位置づけの整理
経済学の”机上の空論”というイメージを取り去ってくれた点。」「ミクロ経済学・マクロ経済学を受けるまえに受けると良い講義」「経済学がはじめて面白いと思った」「公平性・平等について重点を置いて議論がされている素晴らしい科目」

2.学生との距離が近い
「早稲田の他の大講義室でのどの授業よりも学生との距離が近い」「単位のためだけではなく内容を聞きたくて行きたくなる授業」「学生を巻き込んだゲームなどで私たちの興味を経済学に惹きつけてくれた」

3.「今までのなかで一番おもしろい」と感じられる仕掛け
「これだけユニークな授業をしてくれる先生は他にいない」「今まで講義を受けた教授の中で、最も生徒に寄り添う教授」「大学の中で最も面白い授業」「今まで受けてきた授業の中で最も学生に興味を持たせようという意識」「こんなに面白くためになる授業をしてくださる教授は他にいない」

4.人生やキャリアについて考えるきっかけ
「まさか経済の授業で、自分が人としてどうありたいか、どう生きていきたいのか、考えさせられるとは思ってもみませんでした。4年生の今、この講義を受けることができて、本当に良かったと感じています。」「先生の授業はコリ固まった僕の思考に、ひとつ光をさしてくれたような気がして、とても感謝しています。いまはこのワクワクに身を任せてみたいなと思います。」

5.「これぞ大学で出会いたかった授業」と思うテーマ性
「自学自習の精神を著しく感化する授業」「未来の世の中をよくしてくれ、というメッセージがすごい」「人間として大事なものを教えてもらった」「思考を強制するのではなくあくまでも生徒の自主性に委ねている点。その一方で先生のメッセージははっきりしていて響く人には響くと思います。」

このエントリーでは、上記の1~3までの点について書いてみます。
字数も限られていますので全方面に向けて再反論は用意していませんのでご了解ください。


1.経済学の位置づけの整理

エッセイのエントリーでも書く(予定)ように、経済学を積極的に学びたくて経済学部にすすんだ人は実は少ないのです。経済学の研究対象や手法について関心も前提知識もないところに、ミクロ経済学理論を学んでも、なかなかしっくりこない人も多いようです。私自身も大学1年のときの経済学への期待と失望とがあり、悩んでいたので、大いに共感します。
 だからこそ、①社会科学としての経済学の特徴、②顕示選好理論のエッセンス、③「経済学を専門として役に立たせる」などを話しています

 ①いろいろな社会事象のなかで何を問題とし分析対象とするのか。そして、その事象を社会科学としてどのように捉えるのか。例えば(初歩的に)、法学なら規範や制定法の観点からみるかもしれない、社会学なら歴史や文化や権力関係などだろうか、政治学なら制度かもしれない。経済学、特にミクロ経済学は「目のまえの社会事象は、なにかの最適化の結果の集合なのだ」とみなすのが特徴です。だから最適化問題を解く練習をすると話します。この前提を踏まえて、顕示選好理論や合理性(rationalizability)に話をつなげます。

 次に、効用関数など非現実的だという疑問に答える形で、②顕示選好理論のことを話しています。非現実的すぎるという点については、まず、ミクロ経済学の公理主義的アプローチ、フリードマン(1953)「実証的経済学の方法と展開(下図)」のアイディアを紹介解説します。続いて、”規約主義”や非ユークリッド幾何学なるものの発見について触れることで、公理を基盤に構築される理論体系のイメージをつかんでもらえるようです。
「仮説はその仮定の現実性によってテストされうるか」
高校までで学習する数式モデルは、数学科目でのモデルか、古典的な物理学モデルが主だと思います。前者であれば、そもそも抽象度が高く、工学応用を知らないかぎり(そして経済学部に来るような高校生が数学の工学応用を学ぶ機会はとても少ないはずです)現実との連関を気にする必要がありません。後者であれば、公理に基づくモデルというよりは、物体が放物線を描いて落下する「運動法則」や、バネと弾性力の「フックの法則」といった、現象そのものに理論の基盤を見出すことができそうなモデルです。
 ところが、ミクロ経済学は、そのどちらでもありません。抽象度は高いものの、その対象は「価格」といった極めて人為的な現実にあります。そのくせ、そのモデルの基盤となりそうな現実を探そうとしても教科書には一切でてこない。ここが混乱のもとでもあります。そこで、行動主義的アプローチ(≒顕示選好理論)を紹介しやすい実験経済学の利点が活きます。
まず、ある人の行動を、第三者である研究者が理論化モデル化するには、おそらくその人の脳内活動を直接観察するほかないだろう。それが不可能な現在は、とりあえずなにか「効用」なるものがあって、それを最大化しているかのようにその人は行動しているのだとみなす”as-if”アプローチで理論を構築する他ない。効用最大化なんて本当はしていなかったとしても、観察される行動と効用最大化理論が整合的であるかぎり"as-if"アプローチも悪くない。ただし、すこし心配になるのは、どういった行動に対してなら理論は整合的でいられるかだ。これにはすばらしい定理(Afriatの定理)があって、基本は推移性(と完備性・局所非飽和性)を満たしさえすればOKだといえる。逆に、推移性が満たされない行動に対しては"as-if"理論アプローチは基本的にお手上げである。だからこそ、教科書の最初に「推移性」が仮定されている。教科書によっては「人間はこうあるべし」だとか「推移性も満たさないような行動は分析に値しない」とも読める記述があるがミスリーディング。そもそも推移性が満たされないと標準的な理論では手も足もでないという謙虚な姿勢でもあるのだ。
映画『ウォーゲーム』(1983)の最終場面も紹介してます
といったことを話します。ただし、こうしたことを、このままストレートに話してもチンプンカンプンなので、三目並べ(Tic-Tac-Toe)で学生さんと講義中に対戦してツェルメロ定理を紹介したり、数当てゲーム(p-beauty contest game)を解説したりする場面で伝えられるよう努力しています。
 ツェルメロ定理でいえば、ゲームのルールが決まると同時に、ゲームの結果も決まっているようなもので、公理主義的アプローチも「公理→→定理」を1セットとして運用すべきである。そして、どのような公理が目の前にある現実を表しうるのか考えたり、あるいは、現実社会のどういった部分を公理として議論をスタートさせるかが”適切か”を考えたりすると伝えています。

ここで述べたように経済理論が”規約主義”でいう規約にすぎないとすれば、当然、非現実的すぎて役に立たないといった批判が待っています。そこで専門として役に立っていることも話します。

③「経済学を専門として役に立たせる」
学生さんは一般的に労働市場で評価されるスキルについては学習意欲があるようです。そうした観点から、現実的でない経済学を学んだところで「役に立たない(≒高収入を得られない)」と誤解されてしまうようです。それを否定するひとつの手段として、オークション入札戦略のナッシュ均衡の導出をしています。最初の1階条件までをアイディアで説明し、微分方程式を一歩一歩展開し、均衡戦略を導出します。
オークション入札戦略ナッシュ均衡は微分方程式を解いて得られる。
導出過程をみながら、”数学が本当に必要な希少例”として紹介している。
学部レベルの経済学では、数学をわざわざ使わなくてもグラフを描くだけで同じ結論が得られたり、数式を使っていてもその数値に何の現実性もなかったりということがよくあります。ただ、このオークション入札戦略では、期待消費者余剰の最大化の1階条件を整理していくと、どうしてもネイピア数や積分が必要となります。そして、1位価格入札、2位価格入札、All-payオークションをひとつひとつ紹介し、自分なりの入札戦略を考えてもらいます。そして、売り主はどのオークション方式を採用するのがよいのかと聞き、その後に「収入同値定理」を紹介します。多くの学生が驚く内容のはずです。
 こうした知識は、大学院レベルの教科書冒頭の数ページで解説されるもので、大学院レベル(=専門家レベル)は、この難しいモデルを出発点に様々に議論を拡張させているものなのです。そして、あるオークション研究者が受けた「400万円払うから、なにもしないで下さい」というオファーも話します。
 さらに、司法省に就職し、週休2.5日で年棒かるく1000万円を超えるジョブに就いたクラスメート(PhD)の話や、私自身が移転価格チームから年棒1000万円超のジョブオファーをいただいた話をします。また、例えば、世界銀行の採用情報(英語)をスクリーンで一緒にみて、応募資格が「最低でも経済学修士号(できれば博士号が望ましい)」とされているのを確認します。
世界銀行の採用情報のほとんどには「最低でも修士号。博士号(phD)が望ましい」とある。
経済学が就職に”役に立たない”と言ったの誰!? と思ってくれるはずです。ただ、PhDを取るわけでもない学部学生さんにはどう経済学が”役に立つ”のかは、また改めて書く機会があればと思います。
 これだけではなく、たとえば、
効率と公平がバランス良く議論されている。経済学なので効率性が一つの重要な価値基準として議論が進められているが、公平性についても注意が払われているし、差別や平等の問題についても非常に重点を置いて議論されていると思う、これはすごく大事なことだと思う。
というコメントもいただきました。これは、市場実験のときに、余剰が最大化される≒取引人数が最小化されるであること、逆に、相対取引で取引数を増やすと余剰が減ってしまうことも数値例で示した講義への評価もあると思います(2009年からこのトピックを話しています)。また、本エントリー後半で述べるように、実証分析(positive analysis)の経済学をもって安易に現状肯定してはならないことも伝えていることを評価してくださったコメントだと思います、ありがとうございます。
 
他にも、「市場」という社会制度は、経済社会に散在する情報(買い手の好みや懐事情、作り手の技術制約や原価情報などなど)を均衡価格に撚りあげていくシステムなのだという見方も説明します。

こうしたトピックや雑談によって「経済学の全体像がみえた気がする」という感想につながっていくのかなと思います。

2.学生との距離が近い

実験経済学という講義の性質上、参加型にはしやすいかと思います。参加型ゲームとしてどのような仕掛けが活きるかは別途述べさせていただくとして、「過去受けた授業の中で生徒の意欲と興味を最も高めている先生」「大学では珍しい新スタイルの教え方だと思う」というコメントからは、”距離が近い”印象を評価してくださっているのかなと思います。
受講生は毎年上限いっぱいの340余名。写真のとおりの大教室でも「先生との距離が近い」と
書いてくださってうれしいです。
特に意識してやっていることはないので、やや意外な感じがします。でも、コメントありがとうございます。
 心当たりがあるとすれば、たとえば「質問は? わからないところはありますか?」ではなくて、「気になったところ、こう考えたらどうなるのだろう? があったら、ぜひ教えてほしいです」という言い方をするようなところでしょうか? わからないところを大勢の前でさらけ出すようなのは尻込みしますので、「質問」という言葉は使わないほうがよいかなと思っています。
 質問やコメントをいただけたら、まず大教室なのに挙手して質問してくれたことを感謝する。次に、質問に答えるのではなく、まず質問内容を繰り返して確認し、教室全体に共有する。また、質問した人の気持ちに同意する(質問そのものは専門家からすれば、すでに解答が得られているようなものも多いのですが、初習者が疑問に思う気持ちはとても大事です)。このステップを経てから、質問に回答するように心がけています。質問してくれた場合は、なるべくその人のところまでいってマイクを手渡して話してもらうようにしています。
 このようなところでしょうか...?

みなさんが出してくれたレポート(右図:合計76万5000字)を読んで、響くフレーズや考えさせられるフレーズを折に触れて、講義中に紹介したりするのもよかったのかもしれません(講義中に紹介する旨はもちろん了承済み、です)。


ほかにも[続く。執筆中]

2019年8月29日

「これぞ大学で出会いたかった授業」とまで書いてくださる早稲田の皆様。本当にありがとう!

早稲田大学ティーチングアワード総長賞
田中愛治総長から直々にいただきました
実験経済学をずいぶん長く担当させていただきました。今年の匿名の学生授業アンケート結果をみてみます。あとで別エントリーで自己解説も試みます。どういった講義内容や働きかけがこのようにポジティブに受け取っていただけるのか、共有させていただければと思います。
 早稲田大学政治経済学部「実験経済学」を履修してくださった多くの皆様に心より感謝いたします。本当に本当にありがとうございました。 生涯のこる良い思い出になります。みなさんもどうかお幸せに。

以下、2019年度アワードに推薦する理由部分:
  • 総じて興味深い、面白い授業だったから。
  • 学生を巻き込んだ形で授業内で経済学の実験を行うことで、より授業内容の理解を深められる点。
  • 思考を強制するのではなくあくまでも学生の自主性に委ねている点。その一方で先生のメッセージははっきりしていて響く人には響くと思います。
  • 生徒に分かりやすい説明。
  • 今まで講義を受けた教授の中で、最も生徒に寄り添う教授だと感じたから。
  • 講義内容はもちろん具体例がわかりやすく、楽しく聴講できたからです
  • それに値すると思ったからに他ならない。
  • 大学の授業はこの授業のように面白く生徒の関心を引きつけるものであると考えるから。
  • 非常に有意義であったから。
  • ダントツで分かりやすいし、こんなに人として尊敬できる人はいません。レポートのフィードバックを事細かくして、一人一人に親身になってくれて感動してしまいました。
  • 学生参加型のゲームをもとに理論と現実の乖離を理解でき、一方的に教えてもらうよりも理解度が高いと感じた。
  • 1回1回の授業が工夫されていたから。
  • 大学では珍しい新スタイルの教え方だと思うから。また、単位のためだけではなく内容を聞きたくて行きたくなる授業だから。
  • 純粋に教員の講義が面白かった点と、課題へのフィールドバックがしっかりとあった点。
  • これまでの講義の中で一番話が面白く、政治学科の人にとってもわかりやすい経済の授業だったから。
  • 非常に面白かった
  • この先生の講義を聴けることが大きな財産です。経済学、実験経済学という領域を超えて、真に聞く価値のある授業です。これまで学生の評価が高いのは、単位がとりやすいからや簡単だからという安易な理由ではなく、彼の持つパーソナリティや生徒を引きこむ彼の進行にあると思います。経歴や人生経験も含め、これぞ大学で出会いたかった授業であり、講義に出席できて光栄でした。もし大学が竹内先生を手放すとしたら、教育機関として大きな損失ではないでしょうか。もし可能であれば、またもう一度彼の授業をとってみたいです。宜しくお願い致します。
  • 難しい内容を分かりやすく説明していたから
  • 大人数のクラスであるのに提出したレポートのフィードバックをくださったことに驚いた
  • 面白い授業でした。一方通行の授業をする人が多いこの早稲田大学で、一橋大学からとても良い客員教授を招くことができたのだなと思います。携帯を使いがちな生徒に対して、授業を聞いた方が良いと悟すお言葉も親切な方だなと思いました。ぜひ、実験経済学の中級編のような形で段階を踏んだクラスを増やして頂きたいです。
  • ただの授業として受けるのではなく、今後の過ごし方、自分の身の振り方について考えるきっかけになったからです。もっと早いうちからお会いしたかったです。
  • いわゆる普通の授業ではなく、今までの授業の中で最も学生参加型だった点。
  • 生徒に寄り添ってインタラクティブな授業展開をしてくださった。もちろん授業の内容も素晴らしかった。今までで1番有意義な授業だった。
  • 生徒目線
  • エッセイに対してコメントをしていただけたのに驚きました。自分としてもこだわっていた部分を、先生が印象に残ったと言ってくださったのでうれしかったです。あれほどの大人数の講義で学生が参加型の授業はほかにないなと思います。
  • とても分かりやすい授業、そして、授業で取り上げられるテーマが大変興味深いものであったから
  • 面白い
  • 生徒を巻き込んで授業が行われていたところ
  • 生徒を引きつける授業をするから
  • 春学期に提出したレポートを全て読んだ上で一人ひとりにフィードバックをメールで送っていたため、授業に対する熱意や真摯な姿勢を感じたから。
  • レポートへのフィードバックが親切だったから。
  • 学生に対して熱心に向き合った講義を行っていただいたから。
  • 取っ付きにくそうな内容をわかりやすいスライドや例を用いて、授業をし、理解を深めることができた。授業の内容もさることながら、それ以外の分野や人生のことまで学びがあった。
  • 自身の話を交え、学生が講義に参加しやすい状況を作ってくれること。もっと話を聞きたいと思わせてくれる話をしてくれる。また、受講生全員にレポートのフィードバックをくださり、先生の真摯に向き合う姿勢が嬉しかった
  • とてもわかりやすい授業で、生徒に親身になってくれて、良い教授だと思ったから。
  • 経済学の知識というよりは人間として大事なものを教えてもらったと思います。また学生1人1人のレポートに対して個別にフィードバックしてくれたりと親切です。11年間お疲れ様でした。最後に先生の講義を聞けて私はラッキーでした。
  • 大多数のレジュメだけ配って一人で進めていく授業とは異なるし、先生としての役割を果たしているから
  • 出席がないにもかかわらず、出席したいと感じる授業だったため。
  • 授業中でも生徒と一緒に実験を行っていて、非常に理解しやすく面白い授業であった。
  • 学生の課題一つ一つに対してフィードバックを行いメールで送ってくれた。正直感動した。
  • 論理性を損なうことなく、話術でもって面白く教えてくださったから。
  • 楽しい授業だった。
  • 非常に興味深いから。先生の話が面白いから。授業でやるゲームが面白かったから。
  • 今まで受けた講義の中で一番面白く、内容も有意義であったため。
  • 先生の生徒に対する熱意があった
  • 学生に未来の世の中をよくしてくれ、というメッセージがすごい。学問的好奇心を超えて、人生について深く考えさせられた。こんな熱意のこもった先生は滅多にお見掛けしません。
  • 早稲田の他の大講義室でのどの授業よりも学生との距離が近くて、単なる経済学という学問だけではなく経済学から派生してより視野に広い話も聞くことができたから。
  • 分かりやすい説明がなされているだけでなく、一人一人のレポートを読み返信してくれるなど、教授の学生の育成に対する熱意が感じられた。また、授業の中でよりよく生きるための方法なども話してもらえるため、勉強や大学生活へのモチベーションが高められ、1年生の時に履修できなかったのが悔やまれるほどである。自信をもってとってよかった授業であると言える。
  • 学生の興味を引き出すための引き出しを本当に多くお持ちでした。とても聞いていて面白く、単に単位を取るだけの授業という枠を超えてためになる授業だったと思います。
  • 大学の中で最も面白い授業だった。
  • 面白く、含蓄のある講義であったから
  • すごい難しい内容でも授業を分かりやすく、面白く進めていたことで、自らも進んで勉強したくなるような内容であった。
  • 非常に講義が面白かったため。
  • 生徒を全く飽きさせることの無い講義であった。内容ももちろん面白く、雑談を交えた講義がとても魅力的だった。出席がないにも関わらず、生徒の数が多いということはそうゆうことであろう。
  • これだけユニークな授業をしてくれる先生は他にいない
  • 面白い
  • 今まで受けてきた授業の中で一番面白い授業だと感じたからです。
  • 熱意のある先生でした
  • 気分的に推薦したいと思った
  • 最後だからです。
  • 他の講義よりも学生が参加できる機会が多く、有意義な時間を過ごすことが出来た。
  • 経済学における様々な事象を懇切丁寧に解説してくださり、経済学に興味を持つことが出来たから。
  • 早稲田での教鞭が最後だからです。
  • 実験経済学のみならず人生への示唆をくれた
  • 授業が非常に有意義なものであったため。
  • 有意義で面白い授業であった。経済学を身近に感じることができた
  • 本当に面白く、興味深く、眠くならない授業であった。
  • 先生の授業を受けられてよかったなぁと心から思えた。今年で最後なのが本当に残念です。
  • とてもわかりやすく、楽しい授業であった。
  • とても面白いから
  • 実験経済という難しいコンテンツでありながら、身近な例を用い学生の興味を惹くことのできる素晴らしい先生だと思ったから。またエッセイに対するフィードバックを一人一人にしており、熱心な印象を受けた。
  • 早稲田や日本社会の良い所悪い所を躊躇うことなく教えて下さった点。
  • 経済学の様々な観点を紹介してくれて興味深い話がきけた。また、学生を飽きさせない工夫も随所に見られ、とても良い授業だった。
  • 他大学から来てこれまで11年間学生に向き合い、考える授業を提供してくださった先生を是非ティーチングアワードに推薦したいです。
  • うまい棒の実験や実験を奨学金への寄付で行なったりする所が他の授業にはない面白さだと感じる。
  • 生徒目線のいい先生だったから。
  • 授業に夢中になることができた。
  • 経済学を楽しく学べた。堅苦しい雰囲気出なくわかりやすかった
  • 授業の進め方
  • 授業内容が受けた授業の中で1番面白かったから
  • 実験経済学の教え方が素晴らしく学生の自学自習の精神を著しく感化する授業内容に感じた。また、経済学だけでなく、女性差別など様々な問題に対して見識や意識が深まったから。
  • 有意義な授業と実践的カリキュラム、教授と生徒のフィードバックを通じた参加型の授業。かつ、最新の学会での論文を紹介するなど授業に対する熱意は素晴らしい。
  • 学生を巻き込んだゲームなどで私たちの興味を経済学に惹きつけてくれたから。授業内容も全体的に興味深い上に、一人ひとりのエッセイにコメントをつけて返してくださるという丁寧な対応をしていただき感動したから。
  • とても教えることに熱心な方で非常に多くの実験事例を交えて説明して下さり、今まで受けた科目の中で一番面白く、かつ学問的にも興味深い講義だった。特にジェンダーに関する授業が印象に残っている。日本の学生はあまり馴染みがないと思うが、知っておくべき重要な話題だと思う。日本人の男性教授というカテゴリーでジェンダー関連の事情に詳しく、語ることができる先生のお姿に感銘を受けた。学期を通してとても有意義な講義だった。
  • 生徒の考えを尊重しているし、楽しい授業だったから
  • 学生が授業を受けやすいような体制づくり、復習テストなどを設けてくれた
  • 生徒思いの先生だからです
  • 学生の興味を引く工夫がなされていた。
  • 学生にとって実のある課題を出してくださった
  • 単純に興味深く、楽しかった。また、実験をやれて、経済学を体感できた
  • 学生に寄り添う姿が素晴らしかった。
  • 学生参加型のゲームを行うなど、主体的に取り組めるようなプログラムが多く、体験しながら学ぶことができ、非常に有意義であったから。
  • 授業に飽きないようにさまざまな工夫をしている
  • 説明が丁寧で、私たちの実体験に即した分かりやすいものだった。学生の参加も促され、主体的な授業が行われていた
  • 先生の人情味がすごくあふれた良い授業だったから。
  • 淡々とした授業ではなく、工夫の凝らされた授業で引き込まれたから
  • 竹内教授の授業は独創的で、経済の見方が変わったから。
  • 授業の1つとしてだけでなく、学生生活や今後の人生への態度についても考えさせられ、将来の選択肢も広がるとても有意義な授業であった。
  • こんなに聞いていて面白いと思う先生は久しぶりだったから。
  • あまりいないタイプの教授で生徒への愛が伝わる講義であったから。
  • 授業内容が興味深い。また先生の工夫がとても伝わってきた。就職活動もありあまり参加できなかったのが残念です。ありがとうございました。
  • 先生の話が上手で分かりやすく、資料も充実していた。また、学生のレポートすべてに返信するなど、学生への対応に感動した。
  • 非常に面白くかつ、わかりやすかったため
  • はじめて第授業でレポートに対してフィードバックを頂いたから。
  • ためになる
  • 生徒に対して手間をかけているから
  • 学生の参加を促していた。授業内容が面白く、毎回参加しようと感じた。あまり得意でない経済分野も分かりやすく教えて下さり、苦ではなかった。
  • 話が面白くかつ分かりやすかった。実験経済学を学んでみたいとより強く思った。
  • 授業内容に関連させて、学生がこれからの人生に必要な様々なことを授業中に語ってくださった
  • 教える授業であるとともに、考えさせられ、学ばされる授業だったから。
  • 今まで受けていた授業に中で最も教授の授業に学生に興味を持たせようという意識を感じた
  • 授業以外のことについてもたくさん学べて、とてもいい先生だと思いました。
  • 面白かったから
  • 他の学生にもぜひ受けてみてほしいと感じたから
  • 内容がためになる上に面白く、先生の感じもとてもよかったから
  • 学生が経済実験のゲームを行うなど学生が能動的に取り組めるような授業を行なっていたため
  • 生徒思いの先生だから。
  • 楽しく、面白く、ためになること。
  • 授業が面白く且つ、役に立つから。
  • 教員の話す講義内容、人間性、学生への思いやりなど、どれをとっても素晴らしいと感じた。
  • 授業中に音楽を流す等、画期的な授業で大学にはこういう先生もいらっしゃるんだと視野が広がりました。
  • どんな学生でも興味を持つような工夫が多くされていた。また先生も学生の目線で話してくれるためわかりやすく、面白いため。
  • この学部で一番楽しかったから
  • 学生が全く怖気付くことない口調で語るため、内容が入ってきやすかった。
  • 政治経済学部に入学した理由・目的について書いたエッセイに対して、一人一人に対してのコメントが返ってきて感動した。生徒に寄り添った授業だった。
  • 小テストを実施する、授業のまとめプリントを作るなどして、学生が勉強しやすい環境を作っていたから
  • 話がわかりやすく興味をそそられた。
  • こんなに面白くためになる授業をしてくださる教授は他にいないと思います。
  • 丁寧でわかりやすいかつ、楽しい授業だった。学生の学習のフォローも手厚かった。
  • 学ぶことを楽しいと思えるような授業だった
  • 経済学の面白さを教えていただきました。
  • 本当に楽しく学べたから。
  • 現在バイアスが面白かった
  • 非常に楽しく学べるため経済学を好きになる授業だった。必修にしてもいいくらいだと思う
  • 今期履修した科目の中でも特に意欲的に参加することができた
  • わかりやすくとても面白かったから
  • 経済という枠組みを超えて、学生として、人として成長できたから。
  • 今までとった講義の中で一番楽しみながら学べ、とても効率的であったと思うから。
  • 「(大学の)講義らしさ」という枠に囚われず、学生の興味を引く様々な工夫がなされていた点が非常に新鮮だった(うまい棒ゲームなど)。また、大教室での講義であるにもかかわらず、小レポートにひとりひとりコメントをくださるなど、学生の「個」を重んじる講義だった。興味のもたせ方、学生のモチベーションの引き出し方など、すべて手を抜かず学問、学生を考えた講義であったと感じる。
  • 学生の興味を引く工夫が常に見られたから
  • 学生のニーズを完璧に理解していて、それに対する適切な講義を行っていた。また、興味を失わせることが無いように様々な工夫がされていた。話し方も簡潔でわかりやすく、いなくなってしまうのが惜しい先生だと考える。以上のことからティーチングアワードに推薦する。
  • 授業内容が興味深いため。
  • テスト前のサポートもしっかりしていたし、暗記を通した知識よりも、より本質の理解を深めるための授業を行ってくれた。
  • 「教えること」は「感じさせること」だと思いました。機械的な学習の場ではなく、竹内先生の授業は直観的で、自ら考えて学ぶ機会を与える、そういう空間でした。
  • 話が面白い
  • 経済学にあまり興味のなかった政治学科の私を、経済学を中心に学んでいきたいと考えるほど素晴らしい授業でした。今期で最後は本当に悲しいです。近い将来にまた開講してくださることを強く希望します。
  • 大人数の講義であるにも関わらずレポートに対するフィードバックが丁寧で、教員の鑑だと感じたから。
  • 最高の先生だからです。
  • 生徒への対応が手厚く、内容も濃い。なによりおもしろい
  • 授業中に学生に対して丁寧に接してくださったり、演習問題を用意して学生の理解度を深める工夫をしてくださった点。
  • 一見するとわかりにくい経済学の理論を実験で鮮やかに示している。
  • 実験経済学を面白く教えていただけた上に人生で役立つ知識なども教えていただけたから
  • 前期で一番面白かったから
  • 好奇心をそそられる、勉強が面白いと感じさせてくれる授業をしてくださった。
  • 生徒に授業内容を理解させようという意思が感じられる。
  • 内容自体は非常にしっかりとしつつも、学生の興味を湧かせる工夫が数多くあったので。
  • 時間を忘れるほど夢中になれた講義でした。
  • 親しみやすい
  • 経済学が与えてしまう「人間は利己的でよい」という誤解を解いてくださった
  • 11年間の講義をたたえて。
  • 一方通行ではなく、学生に寄り添って講義をしてくれた。学ぶ意味、面白さを伝えてくれた。学生への愛が伝わってきた。
  • とても分かりやすく、先生も学生思いの良い先生だったから
  • 面白くて最後まで飽きさせない授業だったから。
  • 教育者として優れた人物であったと思うからです。
以下、「良い点」。重複もあるようですが掲載。
  • 分かりやすいアンケートや実験結果を通じて学習が進む点。
  • 経済学の授業で忘れられがちなことを教えてくれる経済学の授業。
  • 実際に起こっている現象から経済学を学べる。
  • 受講者も授業内で実際に実験に参加することで、実験経済学を体感できる点
  • うまい棒
  • 講師の質。話し方。
  • 今までは理論経済学しか学んだことがなかったが、現実と理論には大きなギャップがあるということを学べた。また、そうしたパラドックスは多種多様にあり非常に興味深いと感じた。
  • 教授の話し方。学生を引きつける魅力があった。
  • 先生が楽しそうに授業をされているから、受けている側もフローな気持ちで授業を受けることができた。 コミュ力など、勉強を、そういうことにつなげて考えるという新しい考え方を教えてもらえたこと。
  • 講義が面白く関心が持てた。
  • 学生が関心を持ちやすいような講義を教員が積極的に展開してくださる点。
  • 将来に役立つことを教えてくれた
  • 早稲田の先生には独りよがりな方が多いが、竹内先生は学生との対話を増やし、学生からのすべての質問に丁寧に答えていた。また学生が意見を申したときは、自らの信奉する理論を押し付けるのではなくで理論を紹介した上で、学生の意見を尊重していた。また学生が授業を聴くような環境を作るために最大限の努力をされていた。竹内先生は学生の自主性を重んじ、授業内容も飽きがこないよう最大限の工夫をしていた。また自主性は重んじていたが、私語など他の学生に迷惑がかかる行為については逐一注意を促していたことも付け加えておく必要があるだろう。
  • 他の授業と一線を画すわかりやすく面白い授業
  • 行動経済学に対する興味を増す事が出来た点
  • 大人数での講義なのにも関わらず全員が授業に参加してしまうような手法
  • 授業の進め方が上手でした。面白かったです。 たまに、雑談から本題(?)に入っていく瞬間が分かりませんでしたが、通して興味をそそる授業でした。 受け身だけになりがちな他の授業とは違い、参加型だったりクイズ形式で考えさせてくれるところが魅力的でした。
  • 内容以上に、生き方や大学生として大事な時間の使い方のようなことについて考えさせられる先生の言葉をいただけたのが4年ながら一番有意義でした。
  • 経済学科を選んだ理由を再度考えて授業に臨むことができる。
  • 生徒の人生に影響を与えたこと。私自身も非常に感銘を受けた。
  • クラシック音楽
  • 学生が参加型の授業であり、今後役立ちそうな内容も多かったです
  • 実践的な経済学を身に着けられる
  • 解説が分かりやすい、生徒を巻き込んで授業が行われていたところ
  • 実験という名の下で、ちゃんと大きな教室で実験してくださってる。
  • 先生の話が面白い
  • 経済学を身近な場面での実験を用いて説明しているところが興味深かった。
  • 理論のみならず、社会のあり方や、どうあるべきかという事とつなげて話してくれた点。
  • 講義の内容が具体的な例を用いた経済学の説明だったので理解しやすかったです。
  • 先生の話が面白く聞きたいと思える講義を展開してくれること。
  • 論文やグラフをスライドにあげて、細かく解説してくれて、とても分かり易かった。
  • 先生が好き
  • 出席点がないにもかかわらず、出席したいと感じる授業でした。
  • 図などがあってしかも大きくてよかった。学問自体も好きだった
  • 課題に対して一人一人フィードバックしてくれた点
  • 先生の小話が意外とためになるものだった。
  • 実験経済学にまつわることはもちろんだが、それ以外の雑談もためになることがあったと思う。
  • 学問の内容に加え人生観についても考える機会となった。
  • 学問的な事柄だけでなく、ジェンダーや就職など生き方全般にかかわる大切な考え方を教えていただきました。一方的な授業でなく、質問を頻繁に呼び掛けたり、生徒全員にフィードバックコメントを書いていただいたり、授業中の実験に生徒を参加させたり、生徒の質問に応じて授業内容を変えていただいたりと、大教室なのに生徒と個人的に丁寧に交流をしようとする竹内先生の姿勢がとても素敵で、授業にもっと積極的に参加しようという気持ちになりました。大学を卒業した未来を考えさせてくれるとても有意義な講義でした。
  • 実験経済学の知識だけではなく、大学生というこの時期に人生を見直せるような話も聞けたこと。
  • 教員が何より頭がよく、話すのもうまく、経済学に詳しくない人にも分かりやすい説明がなされていた点。
  • 学問としての経済学と実社会の接点を、様々な研究事例を通して学べたこと。
  • とても生徒に近い存在で面白く授業を進めてくださったこと
  • 生徒に問いを投げかけていた点。
  • 先生の話である。話し方や伝え方がとてもうまく、とても興味深く話を聞けた。他の教授も見習ってほしい。久しぶりに面白講義であった。
  • 楽しめたこと。行動経済学について多角的な観点から学べたこと。
  • 全部
  • 教授の話し方が、とても聴きやすくわかりやすかったことです。一人ひとりのレポートに対して一言ずつフィードバックをされていたことがとても印象に残っていて、学生のことをよく考えていらっしゃる教授だと思いました。
  • 面白い実験結果などを紹介してくれた点
  • 学生が疑問点を全体で共有する時間が設けられていたため、他の学生の発言によってさらに理解を深めることが出来た
  • 教場で行われる実験。
  • ただ教えるのではないところがポイント。周辺や生きてて?となるところへ解説をしてくれる。
  • 難しくてなかなか理解できないような経済の話も、先生がとてもわかりやすく、親しみやすい話題に置き換えて講義してくださったので楽しんで授業を聞くことができました。
  • 経済学を勉強をするうえで重要な視点を学んだ。
  • 授業が面白くて先生の人柄がいい。学びも多い。
  • 授業内の実験で、わかりやすく実験経済学について学ぶことができた。
  • 双方向のやりとりがあった点
  • 先生は授業のアドバイスのみならず、学生のうちにしておいた方が良いことなど人生へのアドバイスもしてくださった点。
  • 授業中の実験に実際に生徒が参加できる点。
  • 竹内先生が日本社会に対する意見を度々言って下さったこと。
  • 大教室で大人数の講義なのに学生と向き合って「考える」ということについて考えることができた良い授業でした。まだ2年生なので忙しくなる3年生になる前に履修できて本当に良かったです。
  • 竹内先生の考えを知れる点、学生の私たちにはない
  • 楽しくストレスを感じることなく実験経済学を学ぶことができた。
  • 実生活に即した経済学を教えてくれたところ。
  • 興味のある授業を提供してくれた
  • 興味がわく内容
  • 授業内容が興味をそそるもので楽しかった点
  • 実験経済学に関する授業を初めて受けてみましたが、とても分かりやすくかつ面白く教えていただいたため、より実験経済学や経済学そのものに興味が湧き、より学問が好きになりました。
  • 最新の潮流を踏まえ、かつフィールドワークを効果的に実施するアクティブラーニング型授業
  • とても教えることに熱心な方で非常に多くの実験事例を交えて説明して下さり、今まで受けた科目の中で一番面白く、かつ学問的にも興味深い講義だった。特にジェンダーに関する授業が印象に残っている。日本の学生はあまり馴染みがないと思うが、知っておくべき重要な話題だと思う。日本人の男性教授というカテゴリーでジェンダー関連の事情に詳しく、語ることができる先生のお姿に感銘を受けた。学期を通してとても有意義な講義だった。
  • 参加型スタイル
  • 自由度が高いこと
  • 学生と先生の対話があった
  • 生徒に問いかけをして楽しかったです
  • 現実的な経済の話題を扱っていたこと。
  • 学生参加型のゲームを行うなど、主体的に取り組めるようなプログラムが多く、体験しながら学ぶことができた。
  • 実際に実験が行われるのが面白い
  • 実際に教室内の統計を取ったりして、楽しみながら授業に参加できる点
  • ひたすら理論を教わるのではなく、身近でわかりやすいように講義が進められていた。竹内先生の人生経験からの教訓や気づき、メッセージもたくさんあって有意義であった。
  • 理論だけでなく、実際に学生参加型で経済を学べるとところ
  • 生徒が授業に参加する点。
  • 経済学に対する意識を向けること。
  • 経済についての理解を深められる。
  • 合理的経済人の否定という概念に触れることが出来たこと
  • 授業内容を幅広い学生が興味を持てるように工夫されている点。
  • 学生に実際に実験をさせていた点
  • 学生に対して情熱的に講義を行なってくれた。受けていて楽しかったです。
  • 知らないことを知れた。
  • 教授と学生のコミュニケーション
  • 参加しながらの授業で、面白い事例をたくさん用意されていた点
  • 話が面白い
  • 先生は引き出しが豊富で、面白かった。
  • 学ばせてくれる。
  • 経済について楽しく学べる点
  • 行動経済学をわかりやすく説明していただいて、とても興味深ったです。
  • 授業が双方向的であった点
  • 人間がいかに不確かで流されやすい生き物なのかデータとして見ることができて面白かったところ
  • 実験経済学について楽しく学ぶことができる点。
  • 参加型のゲーム実験など経済理論、問題を体験を通して分かりやすく学ぶことができた
  • 興味深い話が盛りだくさんであったこと
  • 経済に関する理論を、わかりやすい実験を用いて視覚的にも理論的にもわかりやすく説明していた。
  • 教員の話す内容がとても興味深く、90分間飽きることなく講義を楽しむことができた。
  • 学びの本質的な部分を知れたことと他の学生の大学生活に対する意見を聞けたこと
  • 学生参加型であること
  • 楽しみながら実験経済学を学べること
  • なんと言っても学生に沿った話し方。共鳴できる。
  • 生徒に寄り添った授業だった。
  • 行動経済学をじっくりと学べる。面白い実験研究を数多く紹介してくれるため、好奇心が湧く。 先生が素晴らしい人。
  • 参加型の授業
  • 竹内教授の授業を受けられたこと自体が最も有意義でした。
  • 授業に関する知識をわかりやすく学生が楽しめるように説明しており、さらに、授業に関すること以外でも様々な知識や知恵、アドバイスがあった。
  • ほんとうにとても楽しかった
  • 経済学を楽しく思えるようになりました。
  • 何より楽しく経済学を学べた点
  • 最後の小テストに解答後の解説があったおかげで、かなり把握できたと思う。また、実験経済学や行動経済学の授業は経済学を身近なものにするうえで非常に役立つと考える。その点この授業は身近に感じさせるような工夫が多く、また発展内容に関しても言及してくれるので非常に有意義であったと思う。
  • 生徒が授業に参加することができる形態
  • 様々な実験や理論をわかりやすい例や面白い話を交えながら説明していたので、とても分かりやすく授業も毎回出席したいと感じられるものであった。
  • 自身を省みることができる点
  • 講義に対して、めんどくさいという印象を抱きにくく、面白く学べるのは学ぶ姿勢を作ることにおいてとても有意義であったと思う。
  • うまい棒ゲームをやってくれた点。
  • 難しい経済学に、フランクな切り口・語り口で触れられるような工夫がなされていた
  • 教授がおもしろく飽きないところ
  • 様々なことに興味を抱くことができる授業に、わかりやすい説明。はては人生についても考えさせられる点。
  • 授業雰囲気が好き。
  • 経済理論と観察される行動との乖離を解消する方法についていくつか学べた
  • 教科書にとらわれない学習
  • 実験に参加するなど体感的に理解できる点
  • 先生が面白すぎる
  • 先生が丁寧に教えてくださった点。
  • 授業中にやる実験
  • 人生において大切なことをたくさん教わりました。
  • 参加型だったのが良かった
  • 経済学が楽しいと思えるきっかけとなったこと
  • 学問を楽しいと感じられる政治経済学部で唯一の授業
  • 試験。
  • 実験経済の概要だけでなく生きていくうえで大事なことを教わることができる。
  • 生徒参加型の授業である点。
  • 学生が興味を持てるように様々なエピソードを交えて講義をする点
  • フィードバックがとても丁寧。
2019年度講義に対して、こんなにたくさんのメッセージをいただけて本当にうれしいです。生涯のこる良い思い出になりました。みなさんもどうかお幸せに。

2019年6月12日

行動経済学「ナッジ」は政策を変えるのか?

2019年5月21日、経済産業省(METI)はナッジユニットを設置すると発表した。イギリスやアメリカ等ではすでに先行事例があるナッジの政策応用について、その費用対効果を検証した論文があるので、そのひとつを紹介したい。
「経済産業省は、政策の施策効果の向上を図るため、行動経済学の知見に基づく新たな政策手法である「ナッジ」の活用に向けて、省内に新たなプロジェクトチーム「METIナッジユニット」を設置します。今後、METIナッジユニットが中心となり、専門家の協力を得ながら、エネルギーや中小企業施策などの分野で具体的なナッジプロジェクトを組成・推進します。」出典:同上

ナッジが政策に

「ナッジ(nudge)」は、肘で軽くつついて人を動かすこと。家計や企業といった経済主体の行動を政策目標に沿うように誘導するために、これまでは税や補助金が使われてきた。例えば、太陽光発電を促したい、あるいは住宅の耐震化をすすめたいのであれば、それにそった補助金制度が整備される。しかし、税制優遇や補助金だけではどうやら不十分であることが理解されてきた。なぜなら、補助金などを考慮すれば合理的には正しいはずの行動でも、意思決定に直面する人の多くに行動経済学的なバイアスがあるせいで、正しい行動をうまくとることができないからだ
これを受け、各国政府のなかで通称ナッジユニットとよばれる政策の企画立案部署が設置された。イギリスでは2010年に内閣にナッジユニットが設立され、アメリカでもオバマ大統領が2015年に行動科学を政策に応用するためのSocial and Behavioral Sciences Teamを設置した。世界銀行のなかにも行動科学の専門家チームeMBeDがある。実際のところ、どの程度の効果があるのか。またナッジを効かすにあたっての注意事項等を以下で整理しよう。

ナッジの費用対効果

Psychological Science 誌に「Should Governments Invest More in Nudging?(政府はナッジにもっと投資すべきか?)」という論文が公刊された。この論文の著者には、『実践 行動経済学(原題:Nudge)』を記したサンスティーン教授とセイラー教授も含まれる。
論文は、4つの分野(退職金積立促進、大学進学支援、省エネ促進、インフルエンザ予防接種促進)において、ナッジ手法による効果と、補助金などの伝統的な政策による効果を比較している。比較対象となる伝統的な政策については、各分野でのトップ3の学術誌に2000年~2015年までに掲載された研究結果の数値が用いられた。

退職金積立促進

まず退職金積立促進におけるナッジは単純で、従業員に就職後1ヶ月以内に積立率を選んでもらうだけだ。このナッジのおかげで、従業員給与の1%相当が新たに退職金積立に振り向けられたという。その費用対効果は低めに見積もっても、コスト$1当たりで、積立金の増加額年間$100に相当した。伝統的な税制優遇や補助金などよりもずっとインパクトは大きい。

就職直後に退職金積立の申込をしてもらう「ナッジ」だけの効果は、
補助金や税制優遇などよりもずっと効果が大きい

大学進学支援

大学進学支援についてもナッジの効果は大きい。低所得世帯の高校生をターゲットに大学進学を促すような補助金や奨学金などはあるが、それが果たす役割(大学進学を増やす効果)はナッジに比べれば限定的だ。ここでのナッジは、連邦学資援助無料申込(FAFSA)の入力支援と援助額の見積サービスだ。このサービスを受けたグループでは、そうでない統制グループと比べて、進学率が8.1%ポイント上昇したという。支援見積サービスの単価が1件当たり$53.02かかったので、政策コスト$1,000当たりになおすと政策効果は1.53人分の大学進学人数に相当する。これは他の伝統的な政策(その多くは金銭的な援助を提供する)に比べても大きい。
連邦学資援助無料申込(FAFSA)の入力支援と援助額の見積サービスを受けるだけで大学進学率が上昇する。他の金銭的な援助をする政策よりも効果ははるかに大きい。
連邦学資援助無料申込(FAFSA)の入力支援と援助額の見積サービスを受けるだけで大学進学率が上昇する。
他の金銭的な援助をする政策よりも効果ははるかに大きい。

省エネ促進

省エネについても、電気料金が割引になるといった金銭的動機ではなく、省エネが環境に良いことだという社会規範に訴えるナッジのほうが効果が大きい。
金銭的な見返りよりも、社会的意義を理解するほうが人は行動を変えやすいこともある。
料金割引につられて省エネをしているわけではない。