2008年9月12日

香港科学技術大学でセミナー発表

香港科学技術大学でセミナー発表しました。組み合わせオークションに関する経済実験とアイトラック分析を加えた研究について話しました。担当の Hossain助教授からは以前に突然メールをいただき「うちの大学でジョブセミナー(助教授の採用試験を兼ねた研究発表)をしないか」とのお誘いを受けました。すでに一橋大学への就職が決まっており、子どもも日本で生まれる予定でしたのでお断りしましたが、貴重な機会なのでセミナー発表はさせていただくことにしました。
 香港科学技術大学は、1991年設立の新しい大学ですが、経済学部の世界ランキングではいつも70位くらい、アジアでは1位です。発表の後は、同大学の奥井先生、田中先生に美味しい海鮮レストランに連れて行っていただきました。大きな生け簀から海鮮を選んで料理してもらいました。30cmはある蝦蛄(しゃこ)などがとても美味しかったし、珍しかったです。ご馳走様でした!

2008年9月8日

オブジェクト指向型経済

少し前から、派遣や請負労働が問題視されるようになってきました。NHKの「フリーター漂流」という番組には、まるで機械のパーツのように使い捨てにされる請負労働者の姿が描かれていました。

この番組を見て思い出したのは、1995年に「オブジェクト指向型経済」という言葉を思いついたことです。企業経営や事業の遂行において、すべての業務が細分化され、ひとつひとつがアウトソーシングによってパーツ化されることをイメージした言葉です。会社という母体はなくなって、本社には経営部分(持ち株会社)だけが残る。そして、いままでの会社というものは、本体とは完全に切り離された部署(パーツ=オブジェクト)の寄せ集めになるんだろうなという予想から思いついた言葉。業務をどんどん細分化していけば、社員もいらないし、仕事を全部アウトソーシング・外部委託できるはず。派遣社員、業務請負だけで企業を動かすことも可能になってしまうのかなと考えたわけです。

95年当時、Visual Basic というオブジェクト指向のコンピュータプログラムを使ってみて得られた実感と、ミクロ経済学をまじめに勉強しはじめて得られた直感から、作ってみた言葉でした。オブジェクト指向プログラムには本体部分がなく、個別の機能を備えたパーツ(オブジェクト)の集合体で全体が構成されるようなコンピュータ言語だということです(専門じゃないんで不確かですが)。

あれから13年たち、アメリカから帰って日本で働き始めてみると、当時は「思いつき」のつもりだった言葉が現実味を帯びてきたのかなと感じます。

2008年9月4日

くるみんマーク:大学も取得しましょう

「くるみんマーク」をご存知ですか。子育てと仕事の両立を応援する企業・事業体が取得することができます。次世代育成支援対策推進法にもとづき、厚生労働省が審査しています。ソニー、ホンダをはじめ、日産、富士通、パナソニックなど合計366社が「くるみん」を取得しました。名刺に「くるみん」をつけている企業もでてきました(下写真)。

取得にあたって条件がいくつかありますが、注目は、男性の育児休業取得実績が含まれていることです。

企業が「くるみんマーク」を取得するのは、男女ともに働きやすい職場だということをアピールし、良い人材を引き付けるためでしょう。イメージアップのために、一橋大学も「くるみんマーク」を取得したらいかがでしょうか。もし男性の育児休業取得実績がなければ、私が育児休業申請できますし。

スタンフォード大学も同様の理由で大学内託児所(定員100名)をオープンさせました。ハーバード大学も優秀な女性教授陣をリクルートすることを目標に2006年から8億円のプロジェクトを始め、定員100名の託児所を作ることにしています。関連記事はこちら→スタンフォード大学内に保育園がオープン