2007年12月5日

UCLAにクラスメートを訪ねて

ミシガンでのクラスメートがUCLAにvisitingしている(客員研究員)ので、彼女を訪ねてきました。写真中央が彼女、左に写っているのはMeyer-ter-Vehn助教授。ミシガン大学でのオフィスは一緒だったし、アドバイザーも一時期同じであったり、色々な意味で「苦楽をともにした」クラスメートです。

ミシガン大学では男女問わず、MICHIGANのTシャツをきて、寝巻き同然で出歩いている学生が多かったのですが、UCLAの学生さんたちはみな良い身なりでした。

2007年11月24日

実験社会科学@北海道大学で報告

「実験社会科学-実験が切り開く21世紀の社会科学」というカンファレンスで発表してきました。2日半のプログラムで、経済学・心理学を中心に8人の先生方が報告。そのなかで私は、アメリカの「IRB」という実験研究における被験者保護の手続きについて説明しました。参加者は50名ぐらいだったと思います。

IRB(Institutaional Review Boardの略)は、実験研究計画を事前に審査する内部委員会のことで、日本でいう「倫理委員会」みたいなものでしょう。人間を対象とする研究(人文・社会科学も含む)をするほとんどの大学に設置されています。被験者を含む研究は、ひとつひとつ全てIRBの事前審査を通過しなければなりません。IRBは詳細で具体的な研究計画を要求し、計画書だけでも数十ページになることもあります。そして、審査基準がまた極めて厳しい。被験者に危害がおよぶ可能性が少しでもあれば、それに対する処置が厳格に求められます。

私の報告では、現在の運用事情を紹介した上で、この制度の悲しく恐ろしい歴史的背景(タスキーギ梅毒研究、アイヒマン実験など)を説明しました。1960年代のアメリカでも、同意も得ないままに研究目的で肝炎ウイルスを人に注射したり、サルの腎臓を人に移植したりと、被験者の人権を無視した人体実験が数多くなされていました。こうした事件の反省を受けて導入されたのがIRBだったわけです。社会科学でなされるインタビュー調査や経済実験などのように、被験者・協力者に身体的危害が及びそうにない研究でも、プライバシー侵害や被験者の不利益となる場合があります。たとえば、職場の上司にアンケート内容が間接的にでも知られてしまう状況などは許されません。こういうわけで人文・社会科学の研究にも、IRBの厳格な審査が要求されています。最近は、これが研究者を悩ませています。

この「実験社会科学」は文部科学省の特定領域研究に選ばれており、会場は、中心メンバーの1人の山岸俊男先生がいらっしゃる北海道大学でした。札幌市内では22日から始まったライトアップがきれいです。

2007年11月20日

大きくなったカエルたち

8月のあの頃(写真)に比べて、ずいぶん貫禄が出てきた。色も、なんか濃くなってきたし。そろそろ越冬準備かな。

2007年11月17日

遠方より朋来たる

ミシガン大の同僚がLA付近で用があるというのでカルテックまで来てくれました。ミシガン大学の学生だった私が、指導教官に派遣されてカルテックに来たのは2004年。そのときは、カルテックで働いていた彼に会うためでした。いまは立場がちょうど逆転して、私がカルテックで働き、彼がミシガン大の学生です。

この人は敬虔なクリスチャンだからか、(日本流)少林寺拳法をやっているからか、とにかく規律正しいんですね。いつもしっかり記録をつけながら仕事をしているし、タスクリストの管理もきちっとしています。それにとても繊細でやさしい。いい人です。

2007年11月10日

ヴァリアン(Varian)もAdWords使う

Microeconomic Analysis週末に出席したCaltechとYahoo!との合同コンファレンスに、ハル・ヴァリアン(Hal R. Varian, UCバークレー)も来ていました。昼ごはんのとき同じテーブルだったのですが、彼がひたすらベラベラ話すのを聞いていました。ミシガン大学にいたときに彼が書いた教科書(→写真)は、私も日本で大学生のときに読んでいました。そのときはVarianといえば「ミクロ経済学の英語の教科書」のことでしたね。

超有名な彼でも自分の本をGoogle広告に出していたそうです。キーワードは「ネットワークの経済学」だったらしい。私もさっそく真似して、自分のブログの広告をGoogleに出してみました。なるほど、Googleでいくつかの関連キーワードを検索するとスポンサーリンクとして私のブログが出てくるようになりました。おもしろい。

Varianが書いたGoogle広告オークションについての論文がいくつかwebにありますね、たとえばこれ(PDF)。SEOをするなら必見でしょうか。

2007年11月9日

一橋大学でセミナー発表

一橋大学で発表。学生のとき以来ですから、ひさしぶりです。いろいろなバックグラウンドの先生方に聞いていただくことができ、非常に勉強になりました。お世話になった山重先生には大変感謝です。(兼松講堂の写真は大学webのものを借用しました)

2007年11月3日

オリーブ摘み@カルテック

なるほどこの学部の建物の前に立っているのはオリーブ並木だったわけですね。今日はカルテックのキャンパスでオリーブ摘みの日です。学生も先生もスタッフも参加自由ですが、前日に、はしごの上り下りの練習をしました。二人が、はしごと麻袋をもち、別のひとりがはしごに登って手でオリーブの実を落としていきました。オリーブ油を絞ってみんなで分けることになっているそうです。私もちょっと摘んでみました。オリーブ油楽しみですね。

2007年11月1日

吉野家@パサデナ

吉野家(Yoshinoya)がカルテックのすぐ近くにあります。牛丼(beef bowl)が$3.07。アメリカ吉野家の店舗は、ほとんどがカリフォルニア州の南部にあります。知り合いの日系アメリカ人から聞いた話では、カリフォルニア南部にはメキシコからの移民が多く、彼らが吉野家に来るからだそうです。ヨーロッパ系アメリカ人はコメを食べないから牛丼はファストフードとして定着しにくいとのこと。なるほど、ここパサデナの吉野家でもお客さんの半分以上はヒスパニックですね。もちろん安いということもあるけど、食文化としてコメになじみがあるんでしょう。

2007年10月30日

Noussair教授とばったり

アムステルダム大学の政治経済実験研究所(CREED)と早稲田大学21COE-GLOPEの共催のワークショップがありました。私は1日だけの日本滞在で時間がなかったのですが、なんとかレセプションだけにおじゃますることができました。

Noussair教授は、カルテックで93年にPh.D.をとっていまして、彼の指導教官はLedyard先生でした。Ledyard先生は今の私のボスですから、世界はやっぱり小さいですね。エモリー大学(Emory University)の准教授となりテニュア(終身雇用)を得た彼ですが、今年オランダのティルバーグ大学(Tilburg)に移りました。アメリカとヨーロッパとどちらが研究やりやすいですか? と聞くと、Tilburgのほうが断然いいとのこと。(世界ランキングで120位くらいの)エモリーにいても、研究資金はあまりまわってこないけど、Tilburgならやり放題だそうです。実際、アメリカの大学が上位を占めている世界ランキングでみても Tilburgはなんと25位くらい。そして、何よりもIRBがない! というのがいいそうです。納得。(写真右はNoussairさん、中央は奥さん)

2007年10月27日

インディアンスクールオブビジネス(ISB)の教授とばったり

ロサンゼルス空港のレストランでとなりの人に話しかけてみれば、あのISB(インド商科大学)の先生でした。ちょうどエグゼクティブMBAの1日レクチャーをしに行くところで、インド行きの飛行機を待っていました。聞けば、香港科技大ビジネススクールにも設立当初から籍を置いているようです。1時間以上、いろいろとビジネススクール運営について話を聞かせてもらいました。

学生3~400人ぐらいに対して、7~10人はプロの就職活動担当を置かないとだめだという話が新鮮でした。あいさつの仕方から履歴書の書き方、戦略的なキャリアプラン策定まで、徹頭徹尾、お世話しなければならないとのこと。それは当然といえば当然ですね。ビジネススクールのブランドは卒業生の就職先で計られるわけですから。もっと正確に言えば、ビジネススクール卒業後の年収が入学前と比べてどれだけ上がったか、という評価。ようやく競争が始まった日本の大学ですが、専門知識をもった就職担当者を10人以上おかないといけなくなる日も近いのでしょうか。

2007年10月22日

実験経済学会(ESA)で発表

ESA(アメリカの「実験経済学会」)で発表。毎年、アリゾナ州トゥーソン(Tucson)で開催されます、私は今回で3回目。学会の内容は別エントリーで書くので、ここではソーシャルイベントの目玉のポーカー大会を紹介しましょう。Rachel Croson さん(ペン大→テキサス大ダラス校)が毎年開催していて、今回は61人がエントリーしました。写真は4時間経った後の決勝テーブルで、中央に私が写っていますが、勝ち残ったわけではなくカードシャッフルの役を引き受け決勝戦を観戦していただけです。

行動経済学・実験経済学の専門家はオークションに詳しいということもあって、Yahoo! やら Google からスカウトが来ます。私の(写真に向って右)となりに座っているのは、David Reiley 教授(アリゾナ大)で今年は1年間だけ Yahoo! Research でアドバイザーをします(年棒は最低2000万円くらいでしょうか。来月会うときに聞いてみようかな)。同テーブルにいた別の人は Google から「うちに来ませんか?」と電話があったけど、断ったよと言っていました。

私のとなりでカードをディールしている人が、Rachel。この人がまたとても明るくいい人で、後人の指導を惜しまぬビッグネーム。ペンシルバニア大ウォートンビジネススクール准教授の彼女には企業からコンサルの依頼が殺到するそうです。彼女が前に話してくれたのですが、講演料をあえて「最低100万円にしておかないと断りきれない」というほどでした。ところが、今年 family reason (家庭の事情)でテキサス大学ダラス校に移りました。世界ランキングで250位くらいのダラス校にとっては、世界トップのウォートンから彼女が来てくれたのは、棚ボタというと失礼ですが、まあそういうことでしょうね。

こういう「へー、そうなんだ」という話はソーシャルイベントでしか聞けませんね。実験経済学ならESAが本場だと思うのですが、日本から参加するリサーチャーがいないのがちょっと残念です。

2007年10月20日

周りの乗客にも責任はあるのでは

ベビーカーが山手線のドアにはさまれ、そのまま列車が動きだしてベビーカーが引きずられたという事件。

この事故に関連して登場した、ベビーカーを取り扱う会社(Aprica アップリカ)のコメントに失望。NHKに出た、若いくせに親父然とした担当は、
「電車に乗る時には使用者の自己責任でたたんでくれ」
というようなことを言っていた。

自分の会社で「あたたかい心を育てる運動」をやっているんなら、「(子供は国の宝です。) 乗客のみなさまもあたたかい心でベビーカーが近くにいたら手を貸していただければ。」みたいなことを伝えるとかできたんじゃないか、NHKで宣伝できるのに、もったいない。しょせん、子育てしてない背広組ばっかりの会社なのかなと思ってしまった。

NHK9時のアナも、「まわりの人もたまには(時には)手を貸しましょう」だそうだ。ここでは、「なるべく」とか「できるだけ」と言ってほしい。私はベビーカーを見た時は必ず手を貸すようにしていますけど、こういう発言は男性として恥ずかしい。

国内育児用品メーカーのコンビを見習ったらいいんじゃないでしょうか? コンビ社は男性社員に育児休暇5日間の取得を義務づけている。こういう会社の製品を買いたいと思いますね。

2007年10月16日

アメリカに電話したのに、インドにつながる

シンガポール航空(在米電話)に電話したら、どうやらインドにあるコールセンターにつながった。インドアクセントの英語だったから、「ところであなた、アメリカの外にいるんですよね、インドですか?」と聞いたら、そうだというので、「どこですか? バンガロール?」と続けると、"マラッシャ"といわれました。どこだろう。ヘラルドトリビューンに関連記事がありました。

正式にカルテックメンバーに

9月末に米国政府からの労働許可証が届いたので、カリフォルニア工科大学の正式なメンバーとなりました。今朝、人事課(写真)に行って保険加入の手続きやコンプライアンス書類に署名してきました。学部にも"Non-Professorial Faculty"の一員として載ってますね。http://www.hss.caltech.edu/ss/faculty/kan

2007年10月15日

涼宮ハルヒの憂鬱@カルテック

ミシガン大学でも日本アニメファンクラブってのがあって、月1回は大教室を夜中まで借りきって、日本で放映されている旬なアニメを大スクリーン(小さな映画館の規模)で上映してくれる。"fansub"といって有志がつけた英語字幕入りを流すので、アニメ自体は日本語のままだ、ありがたい。つい1週間前に日本で放映されたようなものでも、録画されてfansubがついて、アメリカで見ることができる。米国ライセンスやDVDを待っていては、旬に追いつけないというわけだ。まさに日本のJソフトパワーの最前線。麻生太郎さんも読んでいた「ローゼンメイデン」やら「蟲師」も上映したし、デスノートもパラダイスキスも私はミシガン大アニメクラブのおかげで大画面で鑑賞することができた。パラキスじゃ涙ながしてしまいましたよ。

ここカルテックは小さな大学ですが、理系の大学というだけあって、やはりアニメオタクはいるんだな。毎週、みんなで集まってテレビでDVD(米国ライセンス済み)を観ているようだ。今回は、日本のアニメファンの間で流行っていた『涼宮ハルヒの憂鬱』と『のだめカンタービレ』などを鑑賞。私はハルヒを観てみたかったので、おじゃました。米国人アニオタに囲まれた生暖かいマターリとした週末の夜でした。(写真は第5話)

2007年10月13日

紙ナプキン・ペーパータオル

ランチセミナーで発表したあと、サンドイッチを食べているのですが、ペーパータオルがいりますね。とにかくなんでも大きいなあ、アメリカは。大口あけて食べては、ペーパータオルで口をぬぐうというスタイルが結構ありますね、チキンウィングとかBBQとか。ペーパータオル、もったいない。

Caltech セミナーで発表

Caltechのランチセミナーで発表しました、参加者は約20名でした。写真中央が私のボスのJohn Ledyard(レジャード)先生。Ledyard (1984) が投票行動についてのモデルを Public Choice に発表しているのを知ったのが大学3年生の時でして、私が計算したかったことをずばりやっていたので、頭いい人もいるもんだなと思いました。その人が私の雇い主になるとは、思いもしませんでしたね。この人もめちゃくちゃやさしい人です。

写真は、レジャード先生が別の質問者にコメントしているときの様子です。

2007年10月12日

シンガポール航空>> (壁) >>NW

シンガポール航空(成田からロスまで)に乗りました。東京-デトロイト直行便があったので、私はいままでノースウエスト航空(NW)に15万マイル以上乗ってきたと思います。やはり、NWとシンガポール航空の間には超えられない壁がありますね。NWはスナックをほうり投げますが、シンガポール航空の乗務員の人はヘッドセットやスナックを乗客の一人一人に手渡ししてくれます。エコノミーなのに、離陸前のウェルカムドリンクも出ました。

チケットは1週間くらいまえにHISで80300円で購入、たぶんマイルは付かないかな。ちなみに、NWは11万円以上。もうNWは選ばないと思う、名前のとおりNorthworst (ノースワースト)航空です。NWではエリートステイタスなのでビジネスクラスカウンターでチェックインするのですが、誰も、誰ひとりとして荷物を持ってくれたことはありませんでした。係りの人がセルフチェックイン機の横に立って、いちいち馬鹿丁寧に操作を手伝ってくれます。画面見れば操作方法ぐらいわかりますよ、PC使ったことないおじいちゃんじゃないんだから。それなのに、荷物を運ぼうともしないんですね。今日乗ったシンガポール航空のチェックインでは、係りの人がちゃんとトランクを計量台に乗せてくれましたよ。

2007年10月10日

逆カルチャーショック:こちらこそ恐縮です

逆カルチャーショック、明るい方。これは日本のサービス水準の正確さ、丁寧さでしょうか。

コンビニに行って100円のものを買っても、ありがとうございました。と言ってくださる。アメリカは「客がありがとうという国((c)Kan Takuechi)」ですから、たとえばマクドナルドに行けば、「つぎぃ! いらっしゃい。で、なに食べるの?  コンボ3? 飲みモンは?  5ドル22. 」という対応が普通です。

時間指定サービスが時間どおりに来ることなんて、降水確率30%で雨がふるようなもんですし。それに比べて、日本のサービス水準の高いことといったら、涙がでてきます。この正確さ・丁寧さは、きっと世界一でしょうね。感涙。

逆カルチャーショック:もうちょっと他人に話しかけよう

日本を出て外国にいて経験するのがカルチャーショック、日本に帰ってからのは「逆カルチャーショック」といいまして、後者のほうがきつかったりします。

電車に乗っていて、妊婦が乗ってきても、赤ん坊を抱えた親が乗ってきても、誰も席をゆずらない。これにはかなり、驚いた。先週、成田行きの京成特急に乗っていた時のこと。赤ちゃんを抱えたお母さんが途中駅で乗ってきて、席が空いてなかった。それでも立っているのは彼女だけ。私はドアから7席離れた車両の端にいたので、ちょっと遠い。彼女の立っているところまで9席分くらい離れていました。近くのだれか譲るかなと10秒ほど待っていましたが、結局、誰も動かなかったので、わたしのところまで来て座ってもらいました。どうも助かりますー、とのことで、お子さんの体重は9kgほど。15分ほどしてその親子はまた降りて行きました。

もちろん、アメリカではみんなが席を譲るというわけではないし、地域差がものすごくあるわけですが、東京に帰って実感するのが、他人同士が存在を無視することで都市生活を営んでいるということ。結果、あまりにもみんな他人に冷たい。ちょっとしたことで他人に話しかけると、宗教の勧誘かナンパか「ちょっとおかしな人」扱いですね。私はアメリカナイズされちゃった「ちょっとおかしな人」なんでしょう。思えば遠くへ来たもんだ。