2009年9月24日木曜日

経済実験へのご協力ありがとうございました

みなさんどうもありがとうございました。

2009年8月31日月曜日

神経経済学:fNIRSをためしてみる

脳活動を計測する装置fNIRS(島津製作所)を試用させてもらいました。頭皮に電線をたくさんつけてもらっているところです。深さ2cmまで測定し、皮質の活動をモニターできます。fMRIにくらべれば、身体の自由はかなり効くのが利点でしょう。

経済的意思決定のプロセスを脳活動の面から説明していこうという神経経済学。私の専門は実験経済学なので、神経経済学的な実験もこれからしていきたいです。

2009年3月29日日曜日

経済セミナーに書きました:東京都の学校選択制度

経済セミナー4・5月号に「東京都の学校選択制度」を寄稿しました(85~88頁)。学校選択制度の実施状況・利用率を調べ、どういった抽選制度をとっているかを東京都23区の例でまとめました。

学校選択制度導入までは、公立学校に入学するとき、入学する学校は児童の住所に基づいて指定されていました。学校選択制度によって、保護者・児童が入学したい学校を選ぶことがある程度可能になったのです。アメリカでは school choice program の open enrollment という制度で、20年以上前から始まっています。最近では、マサチューセッツ州ボストン市やニューヨーク市の改革が(経済学者にとっては)大ニュースでした。混乱が続いていたボストン市の学校選択制度を、一流の経済学者のチームが分析して改革案を提示。教育委員会がそれを受け入れたというものです。詳しくはAbdulkadiroglu先生たちの論文"The Boston Public School Match" (PDF) でどうぞ。


東京都の数字を調べていて、約20%~30%の新1年生が学区外の学校への入学を希望していることがわかりました。私立の学校へ進学する児童も多いことを考えれば、かなりの児童・保護者が通学区域の外の学校に通いたいと思っているようです。ご興味のある方はぜひお買い求めください。

2008年12月7日日曜日

信州大学 意思決定理論セミナーで発表

西村直子先生(信州大学)と西村幸浩先生(横浜国立大学)からお誘いを受けて意思決定理論に関するセミナー発表に行ってきました。

ここでは若手の意思決定理論の研究者の皆さんに会うことができました。研究者はふだん、日本の全国各地の大学で研究・教育に携わっているため、同世代で同分野の人と顔を合わせる機会はほとんどありません。とても貴重な週末を過ごすことができました。

2008年11月14日金曜日

ESA@Tucsonで発表

4回目のESA@アリゾナ発表。実験経済学を始めた功績でノーベル記念経済学賞をもらった Vernon Smith さんが創設したのがこのESA (Economic Science Association) です。2007年2006年のそれぞれのブログエントリでだいたい書いたとおりですので、そちらをご参照ください。

今回の目玉は、私のミシガン大学での指導教官Yanと、さらにYanの指導教官であるJohnもいたので、3人で記念写真をとってもらったことでしょう。かつてのオフィスメートにシャッターを押してもらって、彼がひとこと "Hmm, generations." 私も2人のようなビッグになりたいです。

2008年10月31日金曜日

岐阜聖徳学園大学でセミナー発表

大阪大学での翌日、蔵研也先生・松葉敬文先生・佐藤淳先生のセミナーで発表させていただきました。先生方はテストステロン(男性ホルモン)と経済行動の関係を調べるとても面白い研究をされています。

蔵先生はご著書『リバタリアン宣言』でお書きになっている通り、リバタリアン。たとえば、政府は人々のモラルの番人ではないとするのがリバタリアンですが、保守派とも進歩派(リベラル)とも異なるため、理解を得るのはなかなか難しいようです。

社会問題に対して、すぐに「"クニガキチント"規制しないからだめなんだ」という他力本願で自分はなにもしない人たちがたくさんいますね。これじゃいかんだろうと。私も全く同感です。私の考え方も部分的にリバタリアンと重なるところがあるため、お話はとても刺激的でした。蔵先生のご著書はとてもわかりやすく面白いので、ぜひ読んでみてください。

2008年10月30日木曜日

大阪大学でセミナー発表

筒井義郎先生主催のセミナーでアイ・トラッカーを使ったオークション実験について発表させていただきました。オークション参加者の意思決定を、彼らの視線の動きから解明を試みています。

筒井先生は今年から行動経済学の講義を開講されたそうです。行動経済学は注目を集めている分野ですが、講義を設けている大学はまだ少ないでしょう。阪大の学生さんたちはとても恵まれた環境にあるなと思いました。

2008年9月12日金曜日

香港科学技術大学でセミナー発表

香港科学技術大学でセミナー発表しました。組み合わせオークションに関する経済実験とアイトラック分析を加えた研究について話しました。担当の Hossain助教授からは以前に突然メールをいただき「うちの大学でジョブセミナー(助教授の採用試験を兼ねた研究発表)をしないか」とのお誘いを受けました。すでに一橋大学への就職が決まっており、子どもも日本で生まれる予定でしたのでお断りしましたが、貴重な機会なのでセミナー発表はさせていただくことにしました。
 香港科学技術大学は、1991年設立の新しい大学ですが、経済学部の世界ランキングではいつも70位くらい、アジアでは1位です。発表の後は、同大学の奥井先生、田中先生に美味しい海鮮レストランに連れて行っていただきました。大きな生け簀から海鮮を選んで料理してもらいました。30cmはある蝦蛄(しゃこ)などがとても美味しかったし、珍しかったです。ご馳走様でした!

2008年8月23日土曜日

GQ JAPANに載りました:「ニッポンの最先端は、ここにあります。」

GQ JAPAN』の10月号特集「ニッポンの最先端は、ここにあります。」に載せていただきました。私の研究室の写真が1ページ全面に使われています。「"実験経済学"が経済学を塗り替える」と書いていただいた通り、これからもがんばります。"クール"の代名詞ともなっている『GQ』にこんなに大きく登場できて、光栄です。



特集では「宇宙開発からアンドロイド、次世代建築、アートまで」の各分野の若手9人が紹介されていて、説明は...
 「日本の最先端を走る若手の旗手たち。
 最先端を行くことは新しい道を築くことでもある。これから海図なき航海に挑戦しようとする若き無名の旗手たち、ブレイク寸前の初登場。」

かっこいいなあ。私は二人目に登場です。
どうもありがとうございます。
目次にも載せていただいてます→

2008年6月28日土曜日

ESA@Caltechで発表

カリフォルニア工科大学で開かれたESA(実験経済学会)で発表しました。今回は早稲田大学の竹内あいさんにお願いして、アイトラック機でデータをとっていただきました。コリン(カメレール、Colin Camerer教授)に見せると「それって、おれたちが来年やろうとしてたことじゃん」と調子のいいことを言ってました。コリンに追いつかれる前に論文を書きあげなければ。左の写真は、アイトラック機による分析結果の一部です(早稲田大学・竹内さんの分析と出力)。実験参加者がスクリーンのどこを見ながら意思決定をしているか分析することができます。リアルタイムで、視線を記録することもできれば、左写真にあるように、長い間視線がとどまっていた場所(Hot Spot)がどこかも教えてくれます。赤いところがその部分、ここを見ながら色々と考えて意思決定にいたったということでしょう。別名、heat map とも呼ばれているようです。 一橋の宣伝をするために、HITOTSUBASHIのTシャツを来て発表しました(セッション参加者は30名ちょっと)。日本からの参加者は東大の計盛さんと私の二人でした。ゴシップですが、オークション分野でのビジネスチャンスは大きいようです。→竹内幹の日記(米国生活編): 400万円払うから、なにもしないで下さい

2008年4月19日土曜日

腎臓交換(Kidney exchange)移植ネットワーク

ドミノ型生体腎移植やドナー交換腎移植のような「腎臓交換」を進めるためのネットワーク構想があります。カリフォルニア工科大学で開かれた 学会 で、Utku Unver教授がそのネットワークの効率的な運用方法を発表しました---長期的に最も多くの患者を救うためには、どの時点で何組の腎移植ペア(ドナー&レシピアント)を成立させていくべきなのかを計算しています。

余談:CV(履歴書)にあるとおり、Assistant Professor(助教授 or 専任講師レベル)だった彼ですが、去年の11月には准教授をとびこして、いきなり Full Professor(正教授)への昇格が決まっていたんですね(ここにはなんともすごい事情があったわけで、いやはや、まいりました)。

私の車でディナー会場に向かう途中、ドナー交換が日本では進みにくい状況を話しながら、私が「公平性の問題もあるようで、移植を待っている人が多くいるのに、一部だけ抜け駆けをして腎移植を受けたりするのは不公平だとかなんとか(A案)」と話すと、Utkuさんは...

 「ありえない!? だって、パレート改善じゃないのか」と驚いていました。「いやーそれが、なんていうか、日本の社会規範なんですよねーw」というと、一緒に乗っていたOnur Kesten氏(カーネギーメロン大)も「1人がbetter offになる(得する)くらいなら、みんなでworse-offでいる(損しつづける)ことをを選ぶんだよね」とフォローしてくれました。Exactly! うーむ、よくご存知で。

もちろん、上のA案B案に書かれているように、いろいろと問題はありますけど、みんなでworse-offは当たっています。ちなみに参考ですが、ドナー交換腎移植に関する日本移植学会の見解では、

(2)しかし、ドナー交換腎移植は医学的・倫理的に大きな問題を含むものであり、個別の事例として各施設の倫理審査のもとに行われるべきものである。したがって、ドナー交換ネットワークなどの「社会的なシステム」によりドナー交換腎移植を推進すべきものではない。

こちらの記事に紹介されているようなネットワークの構築は日本では難しそうです:山陽新聞の記事「ドナー交換 「生体」際限なく拡大

2008年2月8日金曜日

アムステルダム大学でセミナー発表

オランダのアムステルダム大学でセミナー発表してきました。ここにはCREED(Center for Research in Experimental Economics and Political Decision-Making)という実験経済・政治意思決定研究センターがあり、前から訪れてみたいと思っていました。ランチセミナーということで、オランダ式サンドイッチ(名産ゴーダチーズがはさんであります)がでました。ごちそうさまです。結果の解釈方法や仮説検証についてありがたい質問・コメントが出て、とても有意義でした。ヨーロッパでの発表は3度目ですが、アメリカとは笑いのツボとタイミングがすこしちがうので、これもなかなか面白かったです。前日の夜に、経済学部のたてものをとってみました(写真右)。ガラス張りの正面がきれいですね。

2008年2月4日月曜日

本場のダッチオークションを見学

Dutch Auction(オランダ式オークション)を見学してきました。ミクロ経済学を勉強したことのある人ならたぶん知っているのではないでしょうか。この方式は、オークション開始時点では品物の提示価格が高めに設定してあり、それが時間とともにさがっていきます。価格が下がり続ける途中で、参加者のだれかがボタンを押して「買った!」となれば、その時点の価格で売買が成立します。

朝7時にアムステルダム市内のホテルを出て、バスで50分、アールスメール花市場(Aalsmeer Flower Auction)に到着しました。この世界一の生花卸売市場では、ダッチオークションを使って商品が取引されています。写真にあるのが、コンピュータ化された Dutch auction clockで、白い円の部分を赤い点(電光)が反時計周りにまわっています。円の一番上が100セントを表し、左にいくと90セント、80セントと価格が下がっていき、1周し終えたところで、価格0となります。写真は、参加者番号23の人がこのヒマワリを1本63セントで落札した瞬間です。赤い点が円盤の左下のほうの63で止まっていますね。赤い点は4秒ぐらいで1周します。4つのオークション会場にそれぞれ2つの時計が同時進行していますので、ものすごい速さで次々と花が捌かれていきます。競り落とされた生花は直ちにコンテナに積まれ、トラックで運ばれたり、となりにあるスキポール国際空港から世界中に空輸されます。

それから、世界初の株式会社といわれる東インド会社(1602年設立)の本社ビルも見てきました。当時の取締役会議室がまだ残っており、本社ビルはアムステルダム大学の校舎として使われています。運河の左に建つ3つ屋根のある建物です。

2008年1月26日土曜日

実験経済学とFCC Auction

Google Airwave 社が携帯電話(携帯端末)ビジネスをはじめるために、無線周波数オークションに参加しています。1月24日に、700MHz無線周波数帯の全米での使用免許権が競売入札にかけられました。これは、FCC(連邦通信委員会)が"第73番オークション"とよぶもの。携帯端末事業に使える無線周波数帯の使用免許は、これが最後のものとなりそうなので、グーグルも競売入札に参加しました。FCCが見込む歳入は、最低でも10億ドル(1060億円)ということ。この落札額は、FCCが行ってきた一連のオークションのなかで、おそらく最高額となりそうです。

誰が使用権を競り落とすのか、Googleの携帯端末ビジネス(gPhone)の行方は? ビジネスの世界で注目を集めるのはもちろんなのですが、実は、このオークションに注目する経済学者もいます。そのわけは、このオークションが新しい方式で行われるからです。

新しい方式は、組み合わせオークション (Combinatorial Auction)あるいはパッケージオークション(Package Auction)とよばれるもので、複数の使用免許を同時に競売にかけるのに適した方式です。全米の無線周波数帯使用免許といっても、全米をカバーする使用免許がひとつだけ競売にかけられているのではありません。FCCは、全米を12の地域にわけ、それぞれの地域での使用免許を同時に競売に出します。組み合わせオークションでは、個々の免許を別々に競り落とすのではなく、12ある免許のうち、いくつかを組み合わせてパッケージを作り、そのパッケージに入札することが可能なのです。オークションの具体的な形式は Rothkopf, Pekec and Harstad (1998) の hierarchical package bidding というもの。それぞれのパッケージの値段をオークションの途中でどのように上げていくのかなど、実際には、もうちょっと複雑な設定が必要です。また、FCCは実験経済学者にオークションの具体的な仕様のテストを依頼することがこれまでにもありました。

オークションは現在進行中。週末をはさんで、月曜日から再開されます。すでに3.7億ドルの値がつけられているようですね。詳しい金額などはFCCのwebsiteで全部公開されていて、Auction 73: 700 MHz Bandで見ることができます。さすがアメリカ、これが透明性というものでしょう。

2007年12月19日水曜日

JSTORに行ってきました

研究者が必ず使う学術誌のデーターベースのJSTOR。私もずいぶん利用してきましたが、実はその本部がミシガン大学にあったんですね。私が住んでいたアパートから徒歩2分のところに事務所があったとは全く知りませんでした。せっかくだから、記念撮影です。

JSTORは、メロン財団の出資によって、1995年に設立されたNPO。増え続ける学術誌の発行に収蔵スペース・予算が追いつかないという図書館の悩みを解決するために設立されたそうです。サーバーをミシガン大学におき、現在は773の学術誌がオンラインで収録されており、延べ17万号=2470万頁が閲覧可能です。多くの研究論文(特に社会科学系はほとんど)がこのJSTORからPDF形式で入手可能です。

2007年11月24日土曜日

実験社会科学@北海道大学で報告

「実験社会科学-実験が切り開く21世紀の社会科学」というカンファレンスで発表してきました。2日半のプログラムで、経済学・心理学を中心に8人の先生方が報告。そのなかで私は、アメリカの「IRB」という実験研究における被験者保護の手続きについて説明しました。参加者は50名ぐらいだったと思います。

IRB(Institutaional Review Boardの略)は、実験研究計画を事前に審査する内部委員会のことで、日本でいう「倫理委員会」みたいなものでしょう。人間を対象とする研究(人文・社会科学も含む)をするほとんどの大学に設置されています。被験者を含む研究は、ひとつひとつ全てIRBの事前審査を通過しなければなりません。IRBは詳細で具体的な研究計画を要求し、計画書だけでも数十ページになることもあります。そして、審査基準がまた極めて厳しい。被験者に危害がおよぶ可能性が少しでもあれば、それに対する処置が厳格に求められます。

私の報告では、現在の運用事情を紹介した上で、この制度の悲しく恐ろしい歴史的背景(タスキーギ梅毒研究、アイヒマン実験など)を説明しました。1960年代のアメリカでも、同意も得ないままに研究目的で肝炎ウイルスを人に注射したり、サルの腎臓を人に移植したりと、被験者の人権を無視した人体実験が数多くなされていました。こうした事件の反省を受けて導入されたのがIRBだったわけです。社会科学でなされるインタビュー調査や経済実験などのように、被験者・協力者に身体的危害が及びそうにない研究でも、プライバシー侵害や被験者の不利益となる場合があります。たとえば、職場の上司にアンケート内容が間接的にでも知られてしまう状況などは許されません。こういうわけで人文・社会科学の研究にも、IRBの厳格な審査が要求されています。最近は、これが研究者を悩ませています。

この「実験社会科学」は文部科学省の特定領域研究に選ばれており、会場は、中心メンバーの1人の山岸俊男先生がいらっしゃる北海道大学でした。札幌市内では22日から始まったライトアップがきれいです。

2007年10月30日火曜日

Noussair教授とばったり

アムステルダム大学の政治経済実験研究所(CREED)と早稲田大学21COE-GLOPEの共催のワークショップがありました。私は1日だけの日本滞在で時間がなかったのですが、なんとかレセプションだけにおじゃますることができました。

Noussair教授は、カルテックで93年にPh.D.をとっていまして、彼の指導教官はLedyard先生でした。Ledyard先生は今の私のボスですから、世界はやっぱり小さいですね。エモリー大学(Emory University)の准教授となりテニュア(終身雇用)を得た彼ですが、今年オランダのティルバーグ大学(Tilburg)に移りました。アメリカとヨーロッパとどちらが研究やりやすいですか? と聞くと、Tilburgのほうが断然いいとのこと。(世界ランキングで120位くらいの)エモリーにいても、研究資金はあまりまわってこないけど、Tilburgならやり放題だそうです。実際、アメリカの大学が上位を占めている世界ランキングでみても Tilburgはなんと25位くらい。そして、何よりもIRBがない! というのがいいそうです。納得。(写真右はNoussairさん、中央は奥さん)

2007年10月22日月曜日

実験経済学会(ESA)で発表

ESA(アメリカの「実験経済学会」)で発表。毎年、アリゾナ州トゥーソン(Tucson)で開催されます、私は今回で3回目。学会の内容は別エントリーで書くので、ここではソーシャルイベントの目玉のポーカー大会を紹介しましょう。Rachel Croson さん(ペン大→テキサス大ダラス校)が毎年開催していて、今回は61人がエントリーしました。写真は4時間経った後の決勝テーブルで、中央に私が写っていますが、勝ち残ったわけではなくカードシャッフルの役を引き受け決勝戦を観戦していただけです。

行動経済学・実験経済学の専門家はオークションに詳しいということもあって、Yahoo! やら Google からスカウトが来ます。私の(写真に向って右)となりに座っているのは、David Reiley 教授(アリゾナ大)で今年は1年間だけ Yahoo! Research でアドバイザーをします(年棒は最低2000万円くらいでしょうか。来月会うときに聞いてみようかな)。同テーブルにいた別の人は Google から「うちに来ませんか?」と電話があったけど、断ったよと言っていました。

私のとなりでカードをディールしている人が、Rachel。この人がまたとても明るくいい人で、後人の指導を惜しまぬビッグネーム。ペンシルバニア大ウォートンビジネススクール准教授の彼女には企業からコンサルの依頼が殺到するそうです。彼女が前に話してくれたのですが、講演料をあえて「最低100万円にしておかないと断りきれない」というほどでした。ところが、今年 family reason (家庭の事情)でテキサス大学ダラス校に移りました。世界ランキングで250位くらいのダラス校にとっては、世界トップのウォートンから彼女が来てくれたのは、棚ボタというと失礼ですが、まあそういうことでしょうね。

こういう「へー、そうなんだ」という話はソーシャルイベントでしか聞けませんね。実験経済学ならESAが本場だと思うのですが、日本から参加するリサーチャーがいないのがちょっと残念です。

2007年10月13日土曜日

Caltech セミナーで発表

Caltechのランチセミナーで発表しました、参加者は約20名でした。写真中央が私のボスのJohn Ledyard(レジャード)先生。Ledyard (1984) が投票行動についてのモデルを Public Choice に発表しているのを知ったのが大学3年生の時でして、私が計算したかったことをずばりやっていたので、頭いい人もいるもんだなと思いました。その人が私の雇い主になるとは、思いもしませんでしたね。この人もめちゃくちゃやさしい人です。

写真は、レジャード先生が別の質問者にコメントしているときの様子です。

2007年10月6日土曜日

カメレール博士に聞く

お! なんと日本ではカメレール博士としてテレビCMに出てたんですね Prof. Colin Camerer (コリン・キャメラー教授)。さっそく本人をつかまえて、「日本のCMに出てるんですね! びっくりしました。」と話を聞いてみました。どうやらいきなり広告代理店からメールで連絡があって、行動経済とか心理学とかを研究している authentic な一流教授を探している日本の証券会社があるんだけど、カメレール先生、そのCM出演に興味ありませんか? と聞いてきたそうです。ロケは全部で1日だけ。トレーラーが4台がこのカリフォルニア工科大学に来て、いっきに撮影をしたとのこと。(うち1台はメイキャップ車、まゆげもトリムしました)。

日本から来た監督は英語を話さないので、ジェスチャーで「演技指導」を受けたそうです。おもしろかったのが、上の画面で Colin が来ているジャケット。Authenticな (ホンモノの)教授が着るものを、と言われて Colin 本人はいつもの短パンやらTシャツを用意したんですが、もちろん、日本人からみた "authentic" な感じの教授じゃない。結局、撮影スタッフが用意した衣装を全部着させられたそうです。CMを見たときに、どうも「らしくないな」と思いましたが、やっぱりか。
(追記:日経ビジネスアソシエにインタビュー記事を書きました
脳と行動の関係を解明、より良い選択を目指す」)


ここカルテックは10月が新学年のスタート。今日は学部主催の新年会で、なかなかおいしいディナーをいただきました。初めに配られたザクロのカクテルも地元のビールもうまかったです、ごちそうさま。

2007年9月23日日曜日

日本経済学会で発表

日本の学会デビュー。水道橋の日大経済学部におじゃましました。いろいろな方ととお知り合いになることができ、とてもよかったです。yyasudaさんとはシカゴAEAぶりに再会、GRIPSは専任講師/准教授/教授じゃなくて、アメリカと同じように助教授/准教授/教授なんですね。いいな。

同業のお友達に「竹内さん、日本での学会はスーツ[着ないといけない雰囲気]ですから」と脅されていたので、念のため発表にはネクタイをしていきました。まあ、別にネクタイをしなきゃいけないということもなかったような気もして安心でしたが、ありがたいアドバイスを下さる方には感謝です。二日目は Caltech Tシャツを着て日大経済学部前にて記念撮影。受付をやっていた学生さんが一緒に写ってくれました。写真撮影のときのピースサイン、変遷はありましたが、復活なんですね。

2007年8月25日土曜日

カリフォルニア工科大学 (CalTech カルテック)につきました

カリフォルニア工科大学(通称:カルテック)に研究員としてしばらく滞在します。ついに一人部屋オフィスを持つことができました。だいたい6畳一間という広さですが、贅沢だなあと思います。感謝!

カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)の世界ランキングを宣伝しておきますと、英国のタイムズが発表するTimes Higher Education Supplement(THES)では世界7位、上海交通大学の発表では世界6位、Newsweekでは4位となっています。日本での知名度があまり高くないのは、大学規模が小さいからかもしれせません。そのかわりカルテック・コミュニティは関係者同士、とても親切なんだそうです。

2007年8月4日土曜日

上海交通大学で発表

ESAの第3回アジア太平洋大会は上海交通大学で開かれました。私の指導教官ヤン・チェン(Yan Chen)先生が主催委員長ですので、私も当然参加します。会場の上海交通大学は江沢民の出身校で、最近は、世界大学ランキングをつくっていることでも有名になっています。

大学ロビーの電光掲示板に"亜洲一流"(アジアトップ)を目指して、"努力、努力、再努力"と流れるあたりが共産圏を実感させますね(写真)。昼食では大学職員の数名と同席したのですが、みなさん上手に英語を話すので驚きました。英語を話せることが採用条件(requirement)なのだそうです。たしかにがんばってますね。


カリフォルニア工科大学からは Colin Camerer先生と Tom Palfrey 先生が来ていました。写真は Neuroeconomics(ニューロエコノミクス; 神経経済学; 行動経済学)について解説する Colin(カメレール博士)。彼は、18才でJohns Hopkins大学を卒業して、20才でシカゴ大学MBA、22才でシカゴ大学でPhDをとっているんですね、すごい人です。プレゼンも面白かった。

fMRIに映る脳の活動状況を、夜のオフィスビル(どのフロアの電灯がついているか)と対照させて説明していました。たとえば、経理部門、営業部門、取締役会などは、それぞれがちがった機能をもち、ちがったことを考えて動いています。したがって会社全体が直面している状況によって各々の部門の働き方がちがうわけです。それは夜のオフィスビルを外から眺めればだいたいわかるはずです。経理部門のフロアの電灯がずーっとともっているのなら、おそらく会社は決算期直前なのではないかといった具合です。fMRIの画像もそれと同じだということでした。脳にはいろいろなパートがあり、それぞれが独自の役割をもって活動していて、それがfMRIに映るのでしょう。

2007年7月15日日曜日

ナッシュ先生と実験経済学@Stony-Brook

ゲーム理論をやる人ならご存知のStony-Brook(ニューヨーク州立大学ストーニーブルーク校)ワークショップをのぞいてきました。今年は Handbook of Experimental Economics の第2巻(結果編)がようやくまとまりつつあるというので、特別に3日間も実験経済学のセッションが組まれていました。

実験経済にもいくつかグループがあって、ここにはアリゾナ大・ジョージメイスン大・カルテックのグループは来ていないようです。私のボスのLedyard先生(カリフォルニア工科大)がパネルディスかスタントの予定だったのですが、野球でケガをしてしまい、残念ながらお休みでした。

ここでは Al Roth (ハーバード大)グループと KagelとLevin (オハイオ州立大)が中心のようです。ミルグロム(Milgrom)御大などビックネーム盛りだくさん、さすがゲーム@東海岸ですね。注目は、ナッシュ均衡で超有名なJohn Nash先生(プリンストン大)でしょうか(写真右端)。ドイツのSelten先生との共同実験プロジェクトを静々と発表していました。後ろ向きになりながら、壇のぎりぎり端まで来るもんだから、参加者一堂が「John, あぶない!」と何度も手助けしようと腰を浮かせました。経済学会の超VIP。

2007年7月10日火曜日

プエルトリコ INFORMS で学会発表

INFORMSの国際大会で発表しました。会場はカリブ海のプエルトリコです。Time preference (時間選好)について仏INSEADのグループが来ていますし、combinatorial auction (組み合わせオークション)でも メリーランド大学 (Maryland)の人もトークに来ていたので、参加しました。

INFORMSはビジネスに応用性の高い非常に"practical"な研究発表の場です。理論的な整合性はさておき、「実際にどう使ってみるのさ」ということに重点をおいています。私の専門の経済学は、「現実への応用性はさておき、抽象的・理論的にどう完璧にモデルを仕上げるのさ」に重点があるようなものですから、INFORMSのアプローチは新鮮です。

今回おもしろかったのは、イリノイ大学のSheldon Jacobson 教授の"Getting and Dealing With Media Attention for Your Research (自分の研究にマスコミからの注目を集めるには)"というセッションでした。米国人の肥満が原油消費量(地球温暖化)に与える影響という論文を発表したのですが、それが『超』マスコミ受けするというのでイリノイ大学はメディアトレーニングを受けさせます。そしてプレスリリースを出したのですが、やはり取材が殺到。その48時間の体験を語ってくれました。論文の真意がなんであれ、マスコミは記事がおもしろくなるなら何でも勝手に解釈してしまうから困ったよ、とジョーク交じりに話してくれました。
かなりカジュアルな雰囲気だったので、私はミシガンTシャツを着て発表しました。スクールカラーの紺色に、黄色(Maize)で MICHIGAN ECONOMICS と書いてあります。セッションチェアは、ミシガン大学フットボールチームの宿敵であるオハイオ州立大学 (Ohio State U.)出身で、Oh, no. Michigan! とからかわれました。

2007年6月22日金曜日

博士号(Ph.D.)を取得

今日はDoctoral dissertation (博士論文) を提出。5月18日に Oral defense (口頭試験)を終えてからは博士論文の手直しをつづけていましたが、ようやく終わりました。大学院(Rackham Gradulate School)に博士論文を持参し、学位請求手続きを完了しました。学位の請求だけならwebsiteであっけなく終わるのですが、博士論文の書式を整えるのに時間がかかります。係りの人が1枚1枚ページを確認し、一部分修正をもとめられました。文献リストを最後にまとめているのですが、そのリストの前に「Bibliography」という扉ページが必要だったようです。数学科のLaTeXフォーマットでは扉ページは出力されなかったので、そのままにしていました。その場でPCを開いて、扉ページを作成しことなきをえました。

ほかにもアンケート票に記入したり、著作権管理の同意書にサインしたり、20分くらいかかります。そしてその場で、学位取得証明書 certificate が発行されました(写真)。担当の人は日本語を少し話す Ashley さん、「おめでとう」と日本語で言ってくれました、うれしかったです。Congratulations!

ちなみに博士論文の電子データの提出はもとめられていません。大学全体はかなりIT化されていて、たとえば、学生の履修登録はもちろん、学費のオンライン決済や、先生のほうからの成績の入力・受講者リスト(顔写真付き)作成まで全部がwebsiteでできるのですが、博士論文は紙だけで提出しました。IT化のフロンティアですね。

2007年5月25日金曜日

フランス経済学会(行動経済学と実験経済学)で発表

フランス第2の都市、リヨンで学会発表。主催はフランスの経済学会で、テーマは「行動経済学と実験経済学」。完成間近の博士論文をもって出かけました。http://www.gate.cnrs.fr/afse-jee/
 ヨーロッパでの発表は、2004年のドイツ・マンハイム大学のワークショップ以来。参加費用は学生180ユーロ(約3万円)で、高すぎる気もします。それでも口頭試験の直後でしたし、ついでにチュニジアにも観光で行きたかったので、せっかくだからと参加しました。

ひとつびっくりしたのは、休憩時間にワインがでることです(→写真)。ワインが水がわりだとはいえ、セッションの前にみんながワインを飲んでいるのは、アメリカではありえない光景でした。もちろん、リラックスできていいとは思いますね。

さて、学会に参加すると、関係書類をいれるカバンがついてくることがあります。今回のカバンはこんなんでした(写真)。薄手なので、意外と便利でした。市内観光のときに水のボトルとカメラを入れておくのにちょうどよかったです。

がっかりしたのは、レセプション。学会のwebsiteにもありますが、リヨン市の由緒ある建物で開かれるということで、一人40ユーロも徴収しました。ところが、これがただの立食パーティで、ひとつまみのスナックが出ただけです。テーブルに着くこともなく、空になったお皿の間に参加者がひしめいていました。


学会にいくつか行ってみて感じたのは、互いに知らない参加者同士がmingle できるようなシステムが必要だということです。主催者が食事とドリンクだけを用意して、「あとはお好きに交流してください」では、だめですね。今回のレセプションでは、参加者の多くが、さびしそうにうろうろと食べ物をさがしているだけで、あまり交流できていませんでした。私自身は自分の研究領域に近い人たちとは色々と情報交換もできましたし、思いがけずbig name な人とも知り合えたりして、収穫はありましたのでよかったです。

リヨンに来て、本当によかったのは、ごはんがおいしかったことです。どのレストランに行っても、基本的にはずれがない。Buchonというリヨンの伝統家庭料理を2晩つづけて食べてみました。あの水代わりのワインをひたすら飲みながら、のんびりと肉料理をいただきます。本当においしかった。アメリカに長くいると味覚がどんどんだめになってしまいますね。またいつか行きたいです。

2007年3月23日金曜日

米中西部経済学会(MEA)で発表

Midwest Economic Association (中西部経済学会, MEA)というのがありまして、ミシガン大学の学生はその学会に「練習」気分で参加することが多いようです。今回の会場地はミネソタ州ミネアポリスでした。市内の彫刻公園にある高さ7mの『スプーン橋とチェリー』(写真)を見たかったこと、そして世界最大のショッピングモールMall of America にも行ってみたかったということもあり、学会発表してきました。参加者はだいたい400人くらいの会合です。「実験経済学」なんてセッションも最近できたようで、やはりどこに行っても、色んな人が色んなことをやっています。

私と同じような動機で来ている卒業生もいて、コロンビア(国)やFRBからOBが来ていました。アメリカの"まあまあ"の大学での職を断りコロンビアに帰った彼(写真)ですが、かなり充実した生活を送っているようです。母国に帰って本当によかったとのことです。大学で講義・研究をしつつ、大学の外でコンサルをしてかなり稼ぐこともできるそうです。

2007年2月14日水曜日

実験経済学会ESA@大阪で発表

ESAの第2回アジア太平洋大会は大阪大学吹田キャンパスで開かれました。主催委員長は西條辰義先生です。はんなりとしたやさしい話し方の先生ですが、それでいて、いい意味でものすごく「話がはやい」人です。アメリカにいると、Kanは日本から来たんだから"サイジョー"を知っているでしょ? といわれていたのですが、実は初めてお会いしたのは2004年でした。

2004年もここで小規模なミーティングで発表させていただいたのですが、そのときと違ったのは、今回は国際会議ということで全部英語でした。カリフォルニア工科大学からPeter Bossaerts先生を呼んできていたり、香港科技大からはCHEW Soo Hong先生、YaleからShyam Sunder先生も来ていました。

アジアの大学間の競争もなかなか激しく、特に91年にできたばかりの香港科技大の躍進は目覚しいですね、アジアでトップ、世界ランキングでも70位くらいでしょうか。大阪大も経済学の世界ランキングでは日本ではトップ。とにかく英語ベースの勝負なんですね。

2006年11月7日火曜日

とにかく贅沢だったINFORMS学会で発表

の年次総会で学会発表してきました。INFORMSはオペレーショナルリサーチ(OR, おーあーる)の総本山。ORは、たとえば大規模な在庫・スケジュール管理を数量的に解決したり、航空会社が持つ飛行ルートや時刻表を最適化したりと、ビジネスには絶対に欠かせない応用数学です。旅客を最大限確保しながら、何百という都市を結ぶ飛行ルートを最短飛行距離で構築できれば、そのコスト削減効果は計り知れません。こういうわけでINFORMSはビジネスと結びつき強いようです。学会のwebsiteにはスポンサーである企業のロゴがたくさん載っています。参加者も4000人を超える大規模な学会で、電話帳みたいに厚いプログラム(発表内容のリスト)をもらいました。

私が発表したのは、package auction (組み合わせオークション)をスケジューリング問題に応用しようという実験の論文。指導教官が invite されたので、共著者の私が派遣されました。セッションチェアは、コンピュータ科学と経済学の分野で大活躍している David Parkes先生(ハーバード大学)。この5年で1億円以上の研究資金を色々なところからもらってますね。彼がミシガン大学に来たときに、指導教官と3人でディナーを食べたんですが、こんなにえらいのにアプローチャブルで話やすい人でした。彼みたいなのを「新進気鋭」っていうんですね、ほんと若いし。

会場地はペンシルバニア州ピッツバーグ。カーネギーメロン大学の所在地でもあります。学会そのものは本当にリッチでした。レセプションは、カーネギー美術館を貸切です。そして、ローストビーフ/パスタ/サラダやらドリンクが unlimited supply で、お皿が空になることはなかったと思います。ギリシア彫像などをみながら、それをいただくなんて、贅沢でした。もちろん、会場ホテルから美術館までは大型観光バスで送迎です。日本のバブル期って、こんな感じだったんでしょうね...。おなかいっぱいです。(写真右は美術館内の1ホールを写したにすぎません。レセプションは美術館全体を貸切なんです。バブルです。)