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2011年1月31日

日経ビジネス「気鋭の論点 マンションと行動経済学-耐震性に付加価値あり」

日経ビジネス2011年1月31日号の「気鋭の論点」というコラムで「マンションと行動経済学-耐震性に付加価値あり」を書かせていただきました。

人の視線(どこを見ているか)を計測する装置を使ってみました。人の選択結果・行動を観察するだけではわかりにくいのが、意思決定プロセス:どうしてそういう選択をするに至ったのか、です。それでも、視線というのは、そうした意思決定プロセスとは切ってもきれない関係にあります。好きなものを見続けてしまうだけでなく、見続けたものを好きになってしまうという関係も知られています。そうした知見を、耐震マンションの評価に応用してみました。


2009年11月5日

よくみると男しかいない。AERAムック「就活の新常識2011」

男12人いて、女は1人だけ。イラスト描いた人も担当の編集も何も思わなかったんだろうね。AERAムック「就活の新常識2011」。

私がこういうところにこだわるのは、別に私が女性優遇だとかジェンフリだからってわけじゃない。「男しかいない=古くて沈滞した社会」というメッセージなんだってことだ。アメリカにいたとき、ごくフツーに"女"も働いていることを見てきたからかな。

「女の人も昇進している」なんて、わざわざそう書くのもおかしなことだよ。「あの国じゃ、30歳の若者にも選挙権があるらしい」と同じくらいおかしなことだ。

2009年10月16日

出産・育児で女性をサポート=周回おくれの女性支援

「女性支援」「女性活用」「女性が働きやすい職場」
出産・育児をサポートするから、女性が働きやすいとアピールする企業が多いよね。

ばかばかしい。時代遅れも甚だしい。20世紀半ばの意識。でも、この感覚、わかる人にはわかるし、わからない人には少し説明したところで絶対にわからないんだろうなあ。

出産・育児を女の仕事だと思っている(いや、それを意識さえしていないだろう)ような企業は、だめだなあ。結局、「メインは男で、サブは女」という路線を変えるつもりは毛頭ないし。男性の育児休業取得率が80%を超えるようじゃなきゃ、信用できない。育児は父・母、男女にかかわらず責任は重い。女性支援=育児支援ならば、父親支援もするべき。

2009年8月25日

洗濯は女の仕事? いまさら何いってんの?

洗濯乾燥機の買い替えようと、各社のカタログを見ています。

どのカタログをみても、基本のコンセプトは共通です。それは、「洗濯は女の仕事だ」ということ。機能の説明や、イメージ写真がそれを物語っている。使っている人のイメージ写真は、もちろん主婦、そして、それをサポートするのは娘だ。特に、HITACHI(日立)とSANYO(三洋電機)のカタログには驚いた。私だって、洗濯ぐらい毎日していますよ。息子が大きくなれば一緒にやるでしょう。



HITACHIのビッグドラムの7頁には「風アイロン」機能のモニター5人のレポートが写真つき紹介されている。全員、女性だ! SANYOの11頁には「働く女性や夜派洗濯の方にも大好評。低騒音を実現!」と書いてある。共働きの"働く男性"にも好評のはずだ。働く男性だってフツーに洗濯機使うんじゃないかな。共働き世帯が半数を超えているし、一人暮らしの独身男性だって、自分で洗濯しているでしょう。主婦が洗濯をしているイメージ写真ばかりのカタログには、昔の「昭和」のにおいがして、違和感を覚えます。しかし、ページをめくってもめくっても登場するのは、主婦ばかり。違和感を抱く私に対して、そう、「洗濯は女の仕事なのだ、何いってんの?」とカタログは訴えかけてくる。きわめて保守的で時代遅れだ。

カタログに掲載された人物写真は、日立(女22回、男1回)、SANYO(女17回、男2回)、東芝(女12回、男0回)、SHARP(女1回、男0回)、となっています。

15万円もするような乾燥機能つきの洗濯機は、それこそ、共働き世帯や独身世帯をターゲットにしているんじゃないかな。カタログ製作者が古いのか、あるいは、ターゲットを知りつつも"洗濯のイメージ"を喚起する意図があるのか。どちらなのでしょう。

2009年8月10日

東京大学も「くるみん」取得

東京大学も「くるみん」を取得したんですね!

くるみんマークは、子育てと仕事の両立(ワークライフバランス)を支援できる企業・事業体が取得することができます。「次世代育成支援対策推進法」にもとづき厚生労働省が審査していて、東大も今年の6月に「基準適合一般事業主」として認定されたとのこと。詳しくは広報ニュースにて。
「くるみんマーク」を取得するのは、男女ともに働きやすい職場だということをアピールし、良い人材を引き付けるためでしょう。イメージアップのために、一橋大学も「くるみんマーク」を取得したらいかがでしょうか。

私が書いたのは去年の9月。そのとき、すでに東大は2年間の行動計画期間の75%を終えたところだったんですね。なるほど、なるほど。他の大学ももっと「くるみん」を取得していくといいなと思います。一橋は、行動計画さえまだないんじゃないのかな? 提案してみよう。

2009年6月7日

テレビでコメント:新報道2001 ワーク・ワーク・バランス

フジテレビ『新報道2001』にてコメントさせていただきました。低価格ネットブック(小型の携帯PC)の分野で大活躍のアスースという台湾のPCメーカーについて。「バンザイ残業で世界一」だそうで、社屋には大食堂からフィットネスジム・プールなどまでが完備され、そこで社員は残業をいとわず、ものすごい早さで商品開発を進めているとのこと。

その話を伺ったときに、私は「ワーク・ライフ・バランスじゃなくて、まるでワーク・ワーク・バランス(時代に逆行しているようだけど)ですね」といい、それをコメントで使っていただくことになりました。
本当は、「OEMの下請け企業にすぎなかったアスースが、ブランドを持つ有名企業を"中抜き"した現象」と経済学的にコメントしたんだけどカットされてしまった。とにかく、その中抜きが可能になった要件として、PC自体の低価格化があるというわけです。かつては25万円~30万円もしたPCですから、大手企業のブランドがないと消費者に信頼してもらえなかったのでしょう。しかし、いまやPCは5万円の電化製品。わざわざ大手企業のブランドがなくても買えるものになったと思います。そこで、製造元であるアスースは、不要になったブランド供給者(大手メーカー)を中抜きできたという背景がある。と考えてみました。

2009年5月14日

「男女共同参画時代のキャリアデザイン」

母校から講演に呼ばれました。如水会(じょすいかい:一橋大学同窓会)の寄付講座で『男女共同参画時代のキャリアデザイン』です。私は「仕事・育児・パートナー選び」という題目でいろいろと話しました。

仕事については、日経就職NAVIの「きっと君のカッコイイは変わる。」のTVCMになんかだまされるな、とメッセージ。
 男女共同参画に関連して、アメリカでの先生が出産直前まで大きなおなかのまま、フツーに私に指導してくれたことなどを話し、日本の状況は明らかにおかしいということを伝えました。

育児については、フツーに分担していること。「家事・育児に"協力的"」とか、「妻のキャリアに"理解"がある」という言葉はおかしいのでキライだとか言ってみました。わかってもらえたかな。

パートナー選びでも、男女ともにテストステロンの影響に惑わされるな(講義中ではもっとダイレクトに言いました。ここはかなり笑いをとれたところ。)

いずれにせよ、自分の価値観をしっかり見つめよ!

2009年4月17日

フジテレビに出る:追加経済対策とセル生産方式

また新報道2001に出させてもらいました。番組冒頭での追加経済対策について3つのポイントがあって、というところ。「ターゲット・タイミング・安心の提供」が大事ですとか言っています。いかにもな"エコノミスト"ですねー。

1時間ほど後にまた登場です。値下げ競争が続く外食産業で、値下げをせずに売上を伸ばしつづけている餃子の王将を紹介するニュースに解説コメント。各店舗が独自メニューを手掛けるという飲食チェーンにしては珍しい方式について「最大の狙いは、客ではなく従業員のほうだと行動経済学者の竹内さんは話す」と。王将のやりかたは、製造業で取り入れられていた「セル生産方式」に近いんじゃないかといいました。すばやいメニューの改善(多品種化)や従業員モラル向上をねらったセル生産方式が外食産業にもやってきたんでしょうか。

2009年2月19日

BIG ISSUE (ビック・イシュー)買いませんか?

ホームレスの人についての一番古い記憶は、たしか「ドラゴン・クエストⅢ」を買うために早朝の新宿地下街を通った時のものです。中学1年だった私は、家を持たない人の暮らしぶりの過酷さに驚きました。

2000年から7年間、留学のためアメリカに住みました。アメリカにはホームレスが多いのですが、一方で彼らを支援する団体も多くあったと思います。

昨年帰国して、東京の街角で「THE BIG ISSUE(ビッグ・イシュー)」を売るホームレスの人を見かけるようになりました。販売価格300円のうち、160円が販売員の収入となるとのこと。すこしでも楽になるならと、販売員から買うようになりました。ビッグイシュー基金へも、寄付をして「ひとり立ち応援会員」になっています。

昨年以来、失業問題は深刻になる一方で「派遣切り」など雇用をめぐる報道を毎日目にします。心を痛める人はせめて300円出して「ビッグ・イシュー」を買ってはいかがでしょうか。政府の対策はいつも後手に回るものです。それを批判するだけでなく、ひとりひとりができることをやっていくのも大事だと思います。

2009年1月20日

連載:はじめての実験経済学 (日経Associe)

「はじめての実験経済学」という連載コラムを『日経ビジネスアソシエ』で始めました。

最近は行動経済学が注目されているようですが、この連載でも損得"勘定"だけでなく、"感情"に流されがちな人間の行動について紹介しています。大学の講義で私が実際に行った経済実験の結果も載っているので、よろしければ手にとってご覧ください。

2008年10月25日

赤ちゃんに優しいお出かけ先:新丸ビル

知人に就職祝いのプレゼントを買うため、新丸ビルに行きました。

生後5ヶ月の息子を連れて行ったのですが、5階に多目的トイレと授乳室があり、とてもよかったです。

古いビルだと、オムツ交換台が女子トイレ内に設置されていて、男性の私には利用しにくいです。おっぱいは妻、オムツ換えは私の担当なので、オムツ交換台が女性用トイレにあるのはちょっと困りますね。新丸ビルは、さすが新しいビルだけあって、男女ともに利用できる多目的トイレと授乳室のそれぞれにオムツ交換台がありました。授乳室はスペースが広く、妻も落ち着いて授乳ができると評価していました。

父親も育児をするのが当たり前の時代、男性も利用しやすいこうした施設があるのは、いいですね!

2008年7月19日

国際女性ビジネス会議に息子と参加

国際女性ビジネス会議で妻が講師をするので、私も息子を連れていってきました。今年で13回目となるこの会議は、日本でビジネスウーマンが集まる最大級のイベント。1000人近くが参加した今年は「ダイバーシティ:多様性が生み出す経済成長」がテーマです。

私もミシガン大学にいたときは、大学がコアバリューとして「多様性」を掲げていたので、この言葉をいたるところで見聞きしました。多様性とは、性別だけでなく、人種・年齢・国籍・文化・障がい・兵役・性的指向の多様性を指していました。一方、日本でダイバーシティというと、女性"活用"の言い換えでしかないようです。

この会議がちがったは、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)のセッションもあったことです。外国出身の参加者もいたりと、日本にいながら、多様性を感じることのできる貴重な機会でした。

上の写真は、主催者の佐々木かをり氏と私の息子。昔は、「ビジネス」+「女性」の会議というと、伝統的な日本企業の人たちに笑われたそうです。そんなころから国際女性ビジネス会議を続けてきた佐々木さんはかっこいいと思います。たくさんの方にかわいいと声をかけていただいて、息子もごきげんでした。

2008年3月24日

だから少子化はとまらない!

2008/03/23-14:29 ベビーカー、使用マナー守って=鉄道30社が共同キャンペーン
子供をベビーカーに乗せて鉄道を利用する人が増えていることを受け、関東、中部、関西の30鉄道事業者は24日から、使用時のマナー順守を呼び掛ける共同キャンペーンを実施する。3地域の事業者がこうしたキャンペーンを一斉に行うのは初めて。共通のポスターを約6800枚用意し、赤ちゃんを守るための協力を求める。

乗客の安全を確保するのは鉄道会社の義務だろう。そのための設備も運行体系も整備できないならば、まわりの乗客に手助けをお願いするのが筋。私は学生の頃から、ベビーカーや目の不自由な人(白い杖)の人をみたら、ほぼ必ず手を貸しています。自分が元気だったら、ちょっと手助けするのは人間として当然。そんなこともできないやつは、あいさつできない非常識なやつと同じ。

このキャンペーンは、いってみれば、「お年よりはあぶないので外出を控えましょう」「車イス利用者はマナー守って」「目の不自由な人はマナー守って」と同じようなものでは? むむ、担当者出て来い! 「ベビーカーをみたら、手伝って」ではないのかと、かなり頭にきてます。

鉄道会社の現場に子育てをしている人間がいないからこういうピントはずれなことになったんじゃないだろうか。ダイバーシティが経営上で重要な理由もここにあるんですね。