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2018年11月19日

男性教員の代講しますので、育休とりませんか?

0歳児育児のために育児休業(や産休)をとる大学教員(男性)の代講を(どこまでできるかわかりませんが)なるべく引き受けたいと思っております。あなたも育休とってイクメンの輪ひろげよう! 1か月だけの育休をとった私も、事務職員の方(男女計3名)から、男性教員が育休とってくれると育休とりやすいのでありがたいとお声もかけていただきました。

【背景】2011年に第2子が生まれたときに私は育児休業を1か月だけ取得しました。時間の自由に最も恵まれている職業のひとつであるため、実質的に育児休業にはなるのですが、やはり前例を増やす必要があろうと思った次第です。第1子のときは帰国着任の直後だったので、制度利用せず数年は24時間乳児家事マシーンでした。心身ほんとうに疲弊しますが、それでも、乳幼児を育てることは、私たちの短い人生のうちで経験できる最も重要で、かつ、本当に素晴らしいもののひとつだと思います。出産立ち合いもおすすめします。

育休申請をしたところ、事務方が無給となる育児休暇よりは年次休暇の申請を勧めてくれました。また、12月の賞与の換算率にも影響があるがそれでもよいかと確認がとられました。しかし、とにかく1か月でもよいのでと思い次のようなメールを書きました(下線はこのブログでつけたもの)。
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ご担当者様 (cc: 研究科長, 事務長)

お世話になります。有給休暇ではなく、育児休業を使えば、給与も賞与も研究費も減額に...なるのだと思います。

ただ、日本の男性の育児休業取得率はわずかに2%程度であり、あまりに低すぎますので、この状況の改善にすこしでも役立てばと思っています。

育児休業の実績を作ることは、一橋大学と日本社会のためにできる、ささやかながらの貢献だと思います。少子化社会のなかで、"新しい価値を切り開く"ことを期待される大学が率先して果たすべき社会的責任ですし、学生さんへの教育効果があるはずです。

たとえば、経済学の教員53人のうち、女性はわずかに4人(たった7.5%)で、いかにもいびつです。こうした状況で、男性教員が育児休業とることに教育的意味があるはずだと(少なくとも私は)考えています。

ということで、収入減は覚悟のうえで、育児休業申請をいたしましたので、どうぞよろしくお願いいたします。事務手続きでいろいろとご面倒をおかけしますが、経済学部事務室の皆様・人事労務課の皆様にもよろしくお伝え下さい。

竹内幹
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そのときに一橋大学に在籍していらっしゃった、青木玲子先生(公正取引委員会)、小黒一正先生(法政大学)、井深陽子先生(慶應義塾)の3名の先生方が1か月間の講義の代行を快くお引き受けくださいました。本当にありがとうございます。

そのときのご恩をなんらかの形でお返ししたく、生まれたばかりのお子さんを名実ともにフルタイムで育児する男性教員の講義代行をしたいと思った次第です。201?年度も産休に入る教員(女性)の講義代行もしました。

【講義代行】

2013年7月10日

『日本最悪のシナリオ~9つの死角』「人口衰弱」

2013年7月10日に六本木アカデミーヒルズで行われたパネル討論会における私の発言録です。

 “日本最悪のシナリオ”に学ぶ「危機管理」と「リーダーシップ」
~いかに“最悪”を回避するのか?~
https://www.academyhills.com/note/opinion/14021705saiakunoscenario.html
こちらのウェブサイトにある写真を転載しています。

第3次ベビーブームはおきず、日本の人口は逆ピラミッドへ

私は『日本最悪のシナリオ~9つの死角』で、「人口衰弱」のシナリオ原案を担当しました。人口衰弱は、時間をかけて満ちる潮のように、ゆっくりと迫ってくるタイプの危機です。しかし、その危機が近いうちに訪れることは、もはや誰の目にも明らかです。

「人口ピラミッド」という有名なグラフがあります。昭和期、若い世代のグラフは長く、年齢が高くなるほど短くなり、きれいなピラミッドの形をなしていました。現在はむしろ、逆ピラミッドに近づきつつあります。2050年の人口予測では、全体の4割が65歳以上の高齢者となり、20歳以下の人口は1割ほどになると予測されています。

人口衰弱がもたらす危機の最たるものは、高齢者3経費(年金・医療・介護)です。すでに社会問題となっており、様々な推計も出されています。現在は高齢者1人につき、3~4人の勤労世代で支えていますが、将来は高齢者1人を1.5人の勤労世代で支えなければならなくなります。特に、医療費は将来、GDP比10~15%となり、消費税は20%になるとも言われています。他方で、政府の借金はいまや1,000兆円にも達する勢いです。少子化の進展により税収は先細りとなり、このままではいずれ政府そのものが破綻すると考えられています。

では、子どもはなぜ少なくなったのでしょうか。日本では戦後すぐ、第1次ベビーブームが起こり、団塊の世代が生まれました。次に団塊ジュニア、第2次ベビーブーム世代が日本の人口を支えました。本来は、第3次ベビーブームが起こるはずでした。しかし、団塊ジュニアが40歳を超えてしまい、もはやその可能性は失われてしまったのです。


なぜ、ベビーブームは起こらなかったのか。その理由を物語るデータがあります。厚生労働省がまとめた、1975~2000年までの社会保障給付費の変遷を表すグラフです。この25年間で、高齢者向けの社会保障費は増加の一途をたどっています。一方で、児童・家庭関係給付費はほとんど増加していません。つまり、子どもが減少してきたにもかかわらず、20年以上にわたり手立てが講じられてこなかった。そのツケが、出生率の低下につながっているのです。

もう1つの理由は、結婚・出産に関する考え方の変化です。結婚はかつて、経済力のある男性が経済力のない女性を養う、あるいは、男性は仕事、女性は家事・育児・介護を担当するという不文律がありました。しかし、日本が1985年に女子差別撤廃条約に批准して以降、女性の社会進出が進むにしたがい、従来の性的、分業的な結婚観は大きく変わりました。

また、十数年前までは、結婚して家庭を持たない男性は一人前として認められない、つまり社会的信用が得られませんでした。そして結婚すれば、周囲から「子どもは?」という声がかかります。こうしたことから、人々の頭の中には「結婚から出産」という既定路線ができあがっていました。しかし、近年は結婚に対する価値観が変わり、その路線は失われつつあるのです。

竹内幹: 実は、人口が減ると分かったのは1974年のことです。この年、合計特殊出生率(※編注)は人口を一定に保つために必要な水準(2.1)を初めて下回りました。しかし、その後15年間、人口減少への有効な手は打たれませんでした。1990年、前年の合計特殊出生率が史上最低となった「1.57ショック」が起こり、初めて少子化が社会問題として取り上げられました。ところが、ここでも政府は対応しませんでした。そして2005年、日本の人口は減少に転じてしまったのです。

対応しなかった1つの理由は、社会を動かしてきた男性中心の権威主義が、女性や子どもの問題を軽視してきたからです。男女雇用機会均等法成立の中核を担った赤松良子氏(当時、労働省婦人局長)は、1983年に当時の経団連会長と面会し、女子差別撤廃条約への批准と、男女雇用機会均等法成立への協力を求めたそうです。すると、当時の会長は「(婦人に)参政権なんて持たせるから、歯止めがなくなってしまっていけませんなあ」と答えたそうです。

女性の参政権が認められたのは1945年。その後40年経っても、こうした発言をする人が経済界のトップに立っていたのです。日経連も当時、「男女雇用機会均等法ができると、企業経営が成り立たなくなる」と声明を出そうとしていましたが、赤松氏が説得し、未然に防いだという経緯が彼女の著書に記されています。経済界がいま、手のひらを返したように女性活用を訴えはじめていることは、私の目にはとても滑稽に映ります。

「環境問題」を思い出してみてください。30年前、「そんなことをしていたら企業経営は成り立たない」と言われていたはずです。30年経ち、社会の意識はガラリと変わりました。現在は「育児休業なんかで休まれたら、仕事にならない」と言われていますが、おそらく30年後、人口衰弱による危機に直面した日本では、人々の意識も変わっていることでしょう。

「企業の社会貢献だ、CSRだ」と言って木を植えるよりも先に、まずはお父さんお母さんを子どものもとに帰しなさい。私はいま、真面目にそう言いたいと思います。国家とは元をたどれば、1つひとつの家庭に行き着きます。経済学の言葉を当てはめれば、子どもは公共財です。子どもは社会全体に便益をもたらす1つの財産であり、本来は社会全体で支え、育てていくものです。同じく公共財である道路に関しては、現在も多額の税金が投じられています。しかし、子どもに関しては、いまだに手がつけられていません。

政治や経済を担う男性の間に「出産や育児など、小さい問題だ。俺たちは国や経済といった大きな問題と戦っているのだ」という意識がいまだ蔓延している時点で、すでに危機の状況が正確に把握できていないのです。

「世代間格差」という言葉があります。これは、生涯で負担する税金と、生涯で享受できる社会保障サービスの差が、世代ごとに異なることを指します。内閣府の『年次経済財政報告』(平成17年)によれば、現在の60代は約1,600万円の純利益を得ている一方で、現在の30代は約1,700万円の損失を被るそうです。さらに、これから生まれる世代は、生まれた瞬間から約5,000万円もの借金を背負わされてしまうのです。団塊以上の世代が「逃げ切り世代」「持ち逃げ世代」と言われる所以です。

現在の高齢者の医療費自己負担は1割ですが、本来、2割への引き上げは2008年から行われる予定でした。しかし、政府は毎年2,000億円もの赤字を出しながら、懸命に1割負担を維持しています。その一方で、財政破綻が近づけば、若者の失業率が高くなります。近年、財政破綻に直面する国では、若者の失業率は5割を超えています。

財務省は、消費税を現在の水準から5%上げれば、税収が13.5兆円増えると試算しています。消費税は基本的に高齢者3経費(年金・医療・介護)に当てられるのですが、今回の増税で財務省は「未来(子ども)への投資」と銘打って、子育て支援にも使うとしています。しかし13.5兆円のうち、子育て支援に充てられるのは、わずかに0.7兆円。とても本気とは思えない金額です。

今後、国の取り組みが変化するのかと言えば、可能性は低いでしょう。選挙で投票した年代別の割合を示す円グラフがあります。グラフでは50代以上が全体の6割超を占め、60代以上でも半数に迫っています。20代は全体の1割弱です。若者の投票率が低いと言われて久しいですが、実はいま、若者が全員投票したとしても、数字上では高齢者世代に勝てない。それが少子高齢化の現実です。投票者の年齢構成は、政策の方向性に大きな影響を与えます。現在の政治のシステムが変わらない限り、高齢者優遇の流れも変わらないのです。

こうした流れが行き着く先に、何があるのか。不満を募らせ、行き場を失った若者たちは、街に繰り出し、国のあり方を力尽くでも変えようと過激な行動、クーデターを起こす。それが最悪のシナリオの一例です。

暗い話ばかりが続きましたが、危機への対応策はあります。たとえば、年金のカットです。バラマキと批判された「子ども手当」は、年間2~4兆円ほど。しかし、年金のバラマキは年間約50兆円。高齢者の方々は「若い頃から積み立てたお金を受け取っているだけだ」と言いますが、彼らは自分たちが支払った額よりもずっと多い金額を受け取っています。年金こそ、盛大なバラマキなのです。年金を現在の半分ほどにカットすれば、年間約25兆円の支出が抑えられます。消費税10%分と同程度の額を生み出せるわけです。

もう1つの対応策として考えられるのが、子どもを増やしていくこと。少子化対策として頻繁に取り上げられるのが、女性活用とワーク・ライフ・バランス(仕事と育児の両立)です。しかし、世界の流れからすれば、すでに周回遅れのイメージがあります。

そもそも、企業内に女性役員がいない時点で、1周遅れています。女性の役員・社員がいるとしても、その旦那さんはおそらくフルタイム勤務でしょう。夫婦がフルタイムで働いている間、子どもはどこにいるのでしょう。育児とは、保育施設で行うものではありません。そして、育児の責任は男女平等です。女性支援(=育児支援)を打ち出すのならば、父親支援も並行して行うべきなのです。

以上です。 パネル討論などはアカデミーヒルズ様のウェブサイトでご覧いただけます。

2012年12月12日

余命別選挙制度(余命投票方式)・世代間格差

竹内は「余命別選挙制度」を提唱しています。これは、余命に応じて選挙区分け・議席配分をすることによって、投票権を余命に応じて重みをつけるという制度です。つまり若い人の1票を、高齢者の1票より重くできるのです。少子高齢化・人口減少の社会では、余命別選挙制度にしないと、世代間格差が広がってしまうと私は危惧しています。

子ども1人に4500万円の借金を押し付けている現状。
この子たちの行く先を明るいものにしなければならない。
現在の高齢者世代は、年金や医療保険を通じて政府から多くの給付を受けていますが、その財源は国の借金(国債)や現役世代が支払う税金です。そのツケは若者世代やこれから生まれてくる将来世代に膨大な国債残高として残されていくのです。

内閣府の「年次経済財政報告(平成17年)」は、高齢者世代が生涯にわたってどれだけの税金を支払い、どれだけの便益を受けたかを計算しています。それによれば、今の60代は差し引きで約1600万円分の純受益があったことになる。それに対し、今の30代が生涯に受ける便益を計算すると、実に約1700万円のマイナス(支払い超過)です。これから生まれてくる将来世代は多大な国債が残されるので、生涯で約4500万円分の借金返済に追われるという。これは「財政的幼児虐待」ともいわれています。

投票箱をあけると高齢者の票ばかり
(財)明るい選挙推進協会のデータ
急激な少子高齢化により歪んでしまった人口構成のもとでは、選挙で多くの票を投ずる高齢者に有利な政策が選ばれがちです。いわゆる「シルバー民主主義」です。国政選挙での投票箱を開けてみると、20代が投じた票はわずか9%で、50歳以上の票が過半数といった事態(左図)で、これは必ずしも若者が投票しないからだ、というわけではなくそもそも人口構成がそのくらい歪んでしまっているのです。

たとえば、消費税の税率5%アップで、政府は13.5兆円の追加税収を見込んでいます。消費税は高齢3経費(年金・医療・介護)に使われますが、財務省は、今回は「未来(子ども)への投資」も使途にいれたと宣伝しています。しかし、それはたったの0.7兆円。13.5兆円増税して、たった0.7兆円をもって「未来への投資」といっています。

「子ども手当が...」?。毎年毎年、年金50兆円をバラまくのに比べれば、子ども手当の2兆円など微々たるものです。「いまもらっている年金は若い時に積み立てたものだから...」?。いえいえ、いまの高齢者は、彼らが現役時代に払い込んだ社会保険料の2倍~4倍の年金を受け取っています。しかし、いまの現役世代には増税が待っているので、結局は「払い損」になるはずです。

もう、若さに応じて1票に格差をつけないとやっていけない段階かもしれません。国政選挙はその国のあり方、数十年後の行く末を決める選挙です。その選挙結果の影響を数十年にわたって受ける世代こそが、将来を見通して責任をもって投票する当事者でしょう。今後、50年、60年に渡って日本の将来を担う世代の声が議会に強く反映されるべきです。

余命別選挙制度の作り方
選挙区というと地理的な区分けが想定されています。各地方の選挙区から選出された地域代表を通じて、社会全体の利害を議会に反映させるシステム。しかし、社会全体の利害を汲み取るために、世代ごとに代表を選出してもいいでしょう。0歳~30代の「青年区」、40~50代の「中年区」、60代以上の「老年区」のように分け、世代ごとに代表を選べばよい。そうすれば若者世代の声は「青年区」選出の議員が代表できる。 これは年齢別選挙区というアイディアで井堀利宏・東京大学教授が提案してきた。

私は余命別選挙制度として、各世代選挙区に、その世代の平均余命(あと何年の寿命があるか)に応じて議席(議員数)を配分し、投票権と余命をリンクさせることを提案しています。たとえば、いま25歳の人の平均余命は57年で、55歳の平均余命29年の約2倍。そこで、20代選挙区には議席を多く配分し、その有権者1人当たり議席数が、50代選挙区の2倍になるようにする。若さに応じて1票に格差をつけるわけです。

「1票の格差」はどうなるのだ、という疑念にはこう答えます。移行期を除けば、生まれた年にかかわらず、どの人も生涯を通じて同じだけの投票力を持つので、生涯を通じた「投票価値の平等」は担保されます。また、若者の影響力が過大になるというのも誤解です。彼ら自身もやがては高齢者になるのだから、若者だけに都合の良い刹那的・利己的政策ばかりを支持するとは思えないし、むしろ、孫のいない高齢者のほうが利己的な投票行動に走る可能性のほうが大きいと考えられないでしょうか。

少子高齢化が進み歪んでしまった人口ピラミッドを、余命でウェイトづけしてみましょう。かつて日本が元気だったころの人口ピラミッドを再建できることにお気づきいただけると思います。


日経ビジネスオンラインにフルバージョンを書かせていただきました。そちらでは、「公共財としての子ども」という考え方も紹介しています。http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110531/220334/

ワールドビジネスサテライト(2012年5月31日放映)の特集でもコメントを紹介していただきました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_21365/

私は世代間対立ではなく、本当の意味で共に支えあう社会を強く望んでいます。

2012年5月21日

赤ちゃんはおんぶ お兄ちゃんはお話

妻が仕事で夜外出していたので、2人を寝付かせ。0歳娘を背中におんぶしながら、この日読んだのは『エルマーのぼうけん』です。絵本をみるだけでなく、最近はお話をきいて楽しむようになってきました。

トラに囲まれて怖くなったエルマーが、チューインガムをトラにあげ、「ずっと噛んでいると緑色になるよ」といって逃げ切るシーン。この日、特に息子が気に入ったエピソードです。自分も子どもの頃に楽しんだ物語を、息子も喜んでくれる。子どもと過ごす幸せを感じるひとときですね。

娘は、おんぶでよく寝ます。二人目なので、赤ちゃんにとって心地よい姿勢や揺れのリズムが、自然にとれるようになってきました。そのおかげで、おんぶをすると気持ちよさそうに寝てくれます。

ちなみに娘は、私と息子のやり取りを眺めるのが大好きで、私達2人の寸劇のようなごっこ遊びを見ては、足をバタバタさせて大喜びしてます。とても楽しいです。

2012年2月4日

第2子誕生で育児休業取得。その関連でトークしました。

第2子が生まれ、産後1ヶ月間に育児休業を取得。それに関連して、3つ「講演」しました。

1) NPO法人ファザーリング・ジャパン 2011年7月26日
特別講演「パパの育休が必要なコレだけの理由」をさせていただきました。父親の育児休業取得こそが、これから進むべき道だと訴えました。そのあと、FJの安藤さん司会でパネルトーク「「男性が育休取得できる社会にするために行政・企業・個人に必要なこと」にでました。

2)Creo(クレオ) 2011年12月4日
講演「パパの育児休業が必要な理由、実現への戦略」として、お話させていただきました。実際に育児休業をとろうと考えている男性が何名か聞きにきていらっしゃいました。ぜひ、すこしずつ職場や社会の固定観念を変えていきましょう。連続講座のタイトルは『今、なぜ大切!?「男性の子育て」』で、「育休取得を検討中の男性と夫の育休を臨む妻を対象に、制度の概要など取得の要点を体験者がアドバイス。」という趣旨でした。CreoさんとNPOファザーリング・ジャパンと杉並区教育委員会との共催。

3)国立市公民館 2012年2月4日
公民館主催の『連続講座 「働きマン」か「イクメン」か、男のワーク・ライフ・バランスを考える』の第2回で「父親の育児が日本を救う! ~育休体験をもとに~」として、お話しました。

多くのお父さんが、子育ての初動(新生児のとき)から育児にとりくめる、そして、とりくむようになる。それが当たり前になる日が、きっと来るでしょう。参考図書としては、育休の意義(そして、大変さ)を独自の視点で書いてくれた山田正人さんの『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』がおすすめ。子育て・育児休業や共働きに、興味ある方にはぜひ読んでほしいと思っています。

2011年12月10日

行動経済学会に息子と。討論・座長・理事会。

第5回行動経済学会に3歳息子といってきました。翌週に中国出張があり、妻に新生児と子どもだけを残しておくわけにいかず、今回は同伴。会場の関西学院大学までシッターさんに来てもらい、会期中2日間は、休憩室やキャンパスで遊んでもらいました。

私は発表はしなかったのですが、討論・座長・理事、といった役を果たしました。今年度、行動経済学会の理事会メンバーになりまして、どうぞよろしくお願いいたします。

ちょうど息子が『大阪うまいもんの歌』を覚えたので、歌詞に登場する名所を見せてあげました。「♪ 大阪にはうまいもん、いっぱいあるんやで~。か~に道楽、くいだおれ~、吉本新喜劇~(なんでやねん!)♪」を見せてあげようと、行ってきました。くいだおれ人形に抱きつき、かに道楽にも納得。吉本は観られなかったのですが、吉本スクールの若い人達が忘年会お笑いをしていたので、それを見学。雰囲気がやっぱり面白かったようで、満足気に見ていました。ありがとう、大阪。新幹線にのって10時前には帰宅。

2011年6月6日

日経ビジネスオンライン 年齢別選挙区について書きました

気鋭の論点に、世代間不公平と選挙制度について書きました。

「世代会計」は、各世代が生涯にわたってどれだけの税金を支払い、どれだけの便益を政府から受けたかを計算しています。それによれば:
今の60代は差し引きで約1600万円分の純受益があった計算。それに対し、今の30代が生涯に受ける便益を計算すると、実に約1700万円のマイナス(支払い超過)です。これから生まれてくる将来世代は多大な国債が残されるので、生涯で約4500万円分の借金返済に追われるといわれます。

日本の子どもの7人に1人は貧困状態にあり、実は、OECD30カ国のなかでも子どもの貧困率は12番目に高いのです。月額13000円程度の子ども手当はバラマキだと批判される一方で、「世代間の助け合い」という美名のもと、賦課方式の年金制度は高齢者への多額のバラマキを続けています。そのツケは現役世代が負うにもかかわらず。なぜ、このように歪むのかといえば、選挙制度と人口構成が歪んでいるからでしょう。

育児支援や教育は社会にとって極めて重要な投資ですが、その社会の意思決定が高齢者寄りになってしまった結果、少子化対策は完全に手遅れとなりました。第2次ベビーブーマーたちが30代後半となりましたが、第3次ベビーブームは全く起きませんでした。もはや、選挙制度に手をつけるほかないのでしょうか? つづきは→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110531/220334/



2010年12月26日

子ども・子育て新システム(保育園制度改革)のきれいごと

保育園制度がもうすぐ「新システム」に改革されるかもしれない。私の思うところを整理したい。

この改革は「質より量」で待機児童問題に対応すること。政府の借金は返済不可能なレベルで、厳しい財政難。こうした中、他の予算を削ってまで、保育園のための予算を増やすのは難しいでしょう。要するに、今ある保育園の質を下げないかぎり、保育園の量(定員)を増やすのはほぼ不可能です。

私がひっかかるのは、この新システムに賛成する人たちが、「質の議論を避けている」こと。その1点です。

2010年4月11日

彼の話す言葉 本当に楽しいね

そろそろ2歳。かなりの言葉を聞き分けるようになり、そのうちのいくつかを自分で言うようになった。思いだせる範囲で、いまのところ、112語。ジェスチャーをまじえての会話はとても楽しい。こんなに楽しいことっていままでの人生であっただろうか。最高に楽しいねえ。

昨日の朝、掃除機をかけた。夜になってそれを思い出して、ジェスチャーを交えながら、「ぶーぶー、あお、ここ。パパ、あっち」と言ってきた。「掃除機青いスイッチを押して電源をいれて、ここを掃除機かけたよ。パパあっちを掃除したね。(そして、掃除機がけは楽しいね)」ということ。実際にそのとおりの場所。

「タクシー乗っていこうかな。」と妻にいうと、「きーこ、きーこ!」と息子が返してくる。きーこというのは、タクシーのこと(黄色いから)。「そうだ、黄色のタクシーに乗ろうか」というと、「ぐるぐる、あおあお!」。タクシーのハンドル。あおあお!は、この場合は黒いタクシーのこと。話が通じているととてもうれしいので、それを共有したいみたい。

いまのところ、こんな言葉を話す:パパ, ママ, おっぱい, じょーじょ(象さん), じーじ(きりん), あっぱ(パンダ), ぐー(ライオン), オエラオエラオエラオ(メリーゴーランド), 一回!, こわい, おおきい, あけーて, ナイナイ(ない、いやだ、おかたづけ), かっか(魚), だっこ, ちっちゃい, あーけ(カーテン), あお(青、黒), くっく(靴), あとと(ありがと), きーこ(黄色、タクシー), ぎゆー(だきしめる), ちゃーちゃ(おねーちゃん), のんの(ベビーカーに乗る), あくく(歩く), た(靴下), ぺんいん(ペンギン), むじー(くじら), ぐるぐる(洗濯、ワイパー、ハンドル), ぴーぴっぴ(洗濯), ちょーだい, とって, にょんで(読んで), みせて, お茶, もに(海苔), はむ(みかん), りんご, にゅーにゅ(牛乳、飲む), ちゃちん(写真), ぶーぶ(掃除機), こえ(これ), あっち, 行っこ!, めんめ(目), みんみ(耳), あお(あご), ひざ, ひじ, おいえ(おいで), デュー(リス), ぷー(くまのプーさん), ぴっぴー(ミッキー、ミッフィー), なんじ(何時に帰る?), たって(すわって、すわる), ここ, いたい, たい(くすぐったい), べーべ(かゆい), とい(トイレ), うんち, truck, あぽー(apple), コーヒー, あめ(亀), にょ(クマ), かきき(新幹線), きーかっか(点滅灯), ばんじゃ(ジャンパー), ぼうし, どーぞ, おゆび(おやゆび), 爪, 足, てって(手), びりびり, あーあ, みず, ちゃーち(ワニのチャーリ), たーた(たるーら), ぷーん(スプーン), 箸, プープ(スープ), トント(トマト), はいゆ(入る), でゆ, じゃー(入浴剤), こわい, おわった, あーぶし(歯ブラシ), アンパンマン, みのり(緑), っとん(布団), DVD, こあ=コアラ, まめ(ダメ), ななごー(すべりだい), こえん(公園), コロコロ, だーだ(がったんがったん), あくしゅ, 馬, ごっつん, あばん(カバン), あむない(危ない), ちゃう(ちがう), いよん(ライオン), がおー, 黒, 階段, かわいい

2010年4月2日

少子化対策っていうなら、こうじゃなくっちゃ!

この写真のような雰囲気になってほしい!

写真は、アメリカ合衆国国際開発庁の長官の宣誓式。ヒラリー・クリントン国務長官がラジブ・シャー博士(Dr. Rajiv Shah)に辞令を渡すシーンだ。子どもと家族が一緒に出席しているのはもちろんだけど、坊やがいいね。お父さんの足につかまりながら、ヒラリーではなく、どこか他のほうを見ている。

日本ではこういうシーン、ありえないよな。子どもと晩御飯を食べもしない男性上司に囲まれていたら、若い人も子どもを作ろうなんて意思決定はしにくいでしょう。

写真のぼうやの仕草、子どもってこういうものでしょう。大人の空気なんてものあまり読まないし、場合によってはさわいだりもする。でも、それでいいんだ。大人の空間にもっと子どもが当たり前のようにいれば、若い人も子ども欲しいと思うかもしれない。

ところで、このShah博士は、38歳。ペンシルバニア大学で医学博士号、同大学のウォートンビジネススクールで修士号も取得している。しかも38歳、これがアメリカの強みだ!!

2010年1月28日

「その他」みたいな父親になってはいけないな


「主な保育者: 母・祖母・おば・その他」
なるほど「その他」程度しか育児に関わらない父親が多いのでしょうねえ。区役所の1歳半健診のアンケート用紙です。

もちろん、母に丸をつけ、その他の横に「父」と濃く書いて丸印をつけておきました。

2010年1月1日

オムツ換え台(男も女も育児する) サンフランシスコ空港にて。

外出先のトイレで子どものオムツを換えている父親なら、いつも感じていることなんじゃないでしょうか:まだまだ、オムツ替え台って女性用トイレにしかない!
トイレのアイコン(目印)にしても、スカート姿の女性らしき人物がオムツを替えているシーン。マイノリティなのかなあ。「子どもを育てるのは女の仕事」という観念は根強いようです。

ところが、先日行った米国サンフランシスコ空港の男性用トイレで、さすがにアメリカらしいものを見ました。「男も女も子どものオムツを替える」という前提のアイコン。こういうところはさすがアメリカだ、すばらしいね!

2009年12月17日

フレンチトースト基金に寄付

フレンチトースト基金(http://www.ftfund.jp/)に3000円をネットで寄付。経済的に苦しい父子家庭(シングルファーザー)を援助する基金です。Fathering Japanのメールよりリンクで。

2009年12月6日

上野動物園 息子の大好きなアレを見に。

上野動物園に息子と2人で来ました。9時30分開門と同時に入ると、誰もいない。空いてていいなあ。キリン("ジッジ")と、ゾウさん(腕をふりふり)と、ライオン("グーっ")を見に来ました。

とにかくゾウさんが大好きで、歌をうたうとゾウさんが登場する絵本と写真をもってきて、腕をふりふり。他の歌をうたっていると、「バイバイ(その歌はやめて)」といってから、腕をふりふり(ゾウさん歌って)。リアルな象さんをたっぷり見た今日は、すっかり満足したようすで、12時30分に帰宅→おひるね。私もいい運動になった。動物園までドアtoドアで15分、とても近いので便利。

キッコーマンのレシピホームクッキング

昨晩は、ぶり大根、豚和風角煮、菜の花の和え物を作った。一昨日は、白菜のクリーム煮、その前は、カキフライ。キッコーマンのレシピホームクッキングをいつも頼りにしています。定番料理があるのでとても便利です。ありがとうキッコーマンの人。

レシピのレイアウト、もっと見やすいものを開発したいなあ。作っている最中、なんども見返しませんか? レイアウト(文字や情報の配置)に工夫の余地がかなりあるはず。

2009年12月4日

歯科健診に連れて行く

息子を1歳半の歯科健診に連れて行く。場所は区役所内。担当の歯科医さんはとてもフレンドリーで安心します。診察台(!?)に仰向けに乗せて、歯をみてもらう間は静かにしていました。緊張していたようです。泣いていやがるかと覚悟していったので、ほっとしたなあ。フッ素塗布は来週。

衛生士さんからの説明では他のお子さん2人と一緒。歯磨きは私がやっているというと、
「こんなに協力的なお父さんがいれば、心強いですねえ」
とのことです。うれしいというか、単におだてられているのか。他のおうちでは父親は歯磨きとかしないんでしょうか。うちの子は、ゾウさんの歌を歌ってあげると、歯磨きはけっこう楽になります。

2009年12月3日

ジェスチャーで意思疎通

写真のように人差し指をたてる動作、これは「もっと」を意味します。もっと食べたい、もう1個ほしい、もっとここで遊びたい、もう1回やって、もう1回やるから見てて。

そんなときは、勢いよく指をぴん!とあげます。かわいい。

追記:合い挽き肉を買ってあったので、ハンバーグを作った。よく食べるなあ。ひき肉といえば、以前に作った餃子もよく食べたけど、それと同じくらいの勢いでパクパク食べる。ひき肉は扱いやすいし、野菜もまぜることもできるし、よく食べてくれるので便利だ。

2009年11月24日

ネギ

ネギをにぎって得意そうにしてます。毎日がとにかくかわいい。「なでなで」というと、パパを3回なで、つぎにママを3回なで、自分をなでて、とうれしそうにやります。気立てのいいやさしさだ。1歳半、ほんとうにかわいいねえ。

2009年11月7日

保育所規制緩和、あえて反対! いや断固反対だ。

保育所や待機児童の問題は、1歳の息子を共働きで育てる当事者として大変関心があります。私自身、経済学の洗礼を受けた市場主義者として、バウチャーや参入規制緩和の意義はよくわかっているつもりです。ふだんからいかにもな市場原理主義者な物の見方をしています。

ただし、保育所の規制緩和の議論では、納得できないことが2つあります。1つ目は、保育所市場の自由化が「中途半端な市場化」におわり、そのしわ寄せを受けるのが、一番弱い当事者=子どもであること。2つ目は、現場を知らない人間が現場感覚と乖離した議論をしているということです。

第1点目は、ミクロ経済学の基本的アイディア(裁定、パレート改善など)を理解している方を前提としてお話します。市場化が効率性を高める条件としては、関連する市場も完全に(あるいは競争的に)機能していなければならないわけです。現実は、もちろん違います。情報の非対称性がありますし、価格交渉はフェアには行われません。

労働市場・転職市場・再就職市場が不完全:
妊娠解雇の問題があったり、妊娠した女性社員の大半が出産前に退職したり、男性の育児休業取得率が1%程度と低かったりするのは労働者と雇用主のパワーバランスが対等でないからでしょう。育児のために離職した親が、うまく復職できないのも情報の非対称性があるからでしょう。労働市場が完全には機能しないので、その非効率性は長時間預けられる子どもが負担することになるのではないかと思います。

資本市場が不完全:
乳児保育にはかなりの費用がかかります。子どもがもつ公共性・正の外部性や、保険機能ということを考えれば、その乳児保育の費用のうちいくらかは公的に負担すべきでしょう。とはいえ、自由化すれば、現在の保育水準を満たすために負担すべき私的費用はアメリカ並み(月20万円前後かそれ以上)になるでしょうし、大半の労働者にとっては、子どもを預けて働きつづけることは短期的に赤字になるはずです。そうした高額な保育料を支払ってまで働く親がいるとすれば、それは離職による生涯賃金の激減を避けるためであったり、家に閉じ込められたくないという動機があるからです。しかし、生涯賃金を担保に保育料を借り入れるなんてことはできません。したがって、父母のどちらかが仕事をやめるか、そうでなければ、低い保育料を払ってエコノミーな保育所(DVDを見せて子守とかかな?)に子どもを預けることになります。ここでの非効率性もやはりこうして子どもがかぶるのです。

手作りではなく、瓶詰めの離乳食を使うところが増えるかもしれません。もちろん、市場が完全であれば、瓶詰め離乳食を望まない親のために、追加料金で手作りの離乳食を提供する保育所が増えるはずだと市場主義者の私は考えます。しかし、手作り離乳食を提供する保育所が近所にあるとはかぎりません。取引費用の問題を忘れることはできません。

以上を考えれば、保育所市場の自由化が「中途半端な市場化」に終わってしまうだろうという予想がつきます。中途半端な市場化ほど最悪なものはありません。そのしわ寄せが、一番立場の弱い人たち=子どもとその保護者たちに向かうということは踏まえた上で議論をすべきです。

2つ目は、この議論に参加する人たちに聞きたいのは、あなたは自分の子どものおむつを何枚換えてきたのか、どれだけ離乳食をつくり子どもをなだめながら食べさせたりしたのか。自分の赤ん坊が初めて歩いた瞬間や、単語を口にした瞬間の喜びをどれだけ共有してきたのか。こんなこともわからない人たちは、少なくとも議論の前面に出てくるべきでない。

保育所の規制緩和を論じる人たちのほとんどが、独身で1日の大半を仕事に使っているか、奥さん(専業主婦)に家事と育児の全部を押し付けている男か、なのではないか。そうした人たちにとっては、待機児童問題の解決策は自由化・効率化にあるとみえるのは当然です。私はね、そんな人たちに「恥を知れ!」といいたいですね。

保育所認可の最低基準撤廃についても、はっきりいってばかげている。もちろん、足による投票とか、分権的意思決定システムの利点はわかっています。繰り返しですが、私は経済学者であり、どちらかといえば"新自由主義者"の部類に入るでしょう。しかし、0歳児3人を保育士1人で見るという最低基準を撤廃してなにをやりたいのだろうと思います。0歳児3人を保育士1人でみること自体、かなり無理があります。それに、食事の場、午睡室、ほふく室さえ確保できない保育所が過半数なのだから、基準を撤廃すれば、保育所のほどんどが狭い保育スペースで営業を開始するでしょう、そして非常勤の保育士をわずかに配置して切り盛りすることになりそうです。基準を撤廃すれば、将来に補助金をカットできるという目的だけだな。(もちろん、市場が理想的に機能すれば....という話は、私は痛いほどよくわかっています。)

待機児童数を減らすのが目的ならば話は簡単です。単に、保育所に"詰め込む"か、保育料を月20万円にあげればいいだけです。でもそれは、問題を解決することとはまったく別のことです。