2007年12月28日

キャンベル教授ご夫妻とお好み焼き

ミシガン大学政治学部のジョン・キャンベル教授(John C. Campbell)と奥様のルース・キャンベルさん(ミシガン大学老人学センター)と再会しました。港区広尾でディナーの約束で、キャンベル先生ご指定のお店は、お好み焼き「ぼちぼち」。レトロな看板と内装が気分を盛り上げてくれます。大の親日派のご夫妻らしいお店でした。先生は焼酎がお好きなようです。

お二人それぞれが、フルブライト奨学金と安倍フェローシップを両方とったという最初のご夫婦。日本語も話す知日派のお二人は、日本滞在は通算で20年近いそうです。NHKの朝の連続テレビ小説も毎朝ごらんになっています。

日本の制度の悪いところを言うと、「いや、それはアメリカもこれこれこういう点で同じだし、日本の制度にはこういう良いところもある」とポジティブな反応がかえってきます。日米比較をすると、だから日本は遅れているとかいう安直な結論で終わる人もいますが、キャンベル先生はフェアな立場なので好きです。

2007年12月25日

青山浅田で会席

青山浅田(加賀料理・料亭浅田の青山店)で会席を食べてきました。二人で4万円ちょっと。丁寧に盛り付けてあったので、いくつか写真をとらせてもらいました(左)。加賀はやっぱり蟹なんですね、蟹が多め。治部煮(写真3枚目)も食べることができましたし、ぬる燗の日本酒もひさしぶりに飲めて、大満足。個室はちょうどよい広さ、とても静かで落ち着きますね。ご馳走様でした。
 (お店を出るときに、係りの人が道路まで走っていってタクシーをつかまえてくれたんですね。日本のサービス水準の高さを感じました。アメリカ暮らしの私は感涙です。)

2007年12月19日

JSTORに行ってきました

研究者が必ず使う学術誌のデーターベースのJSTOR。私もずいぶん利用してきましたが、実はその本部がミシガン大学にあったんですね。私が住んでいたアパートから徒歩2分のところに事務所があったとは全く知りませんでした。せっかくだから、記念撮影です。

JSTORは、メロン財団の出資によって、1995年に設立されたNPO。増え続ける学術誌の発行に収蔵スペース・予算が追いつかないという図書館の悩みを解決するために設立されたそうです。サーバーをミシガン大学におき、現在は773の学術誌がオンラインで収録されており、延べ17万号=2470万頁が閲覧可能です。多くの研究論文(特に社会科学系はほとんど)がこのJSTORからPDF形式で入手可能です。

2007年12月16日

ミシガン大学の卒業式

ミシガン大学の卒業式に行ってきました。学年末(4月)の卒業式にはクリントン元大統領がゲストとして呼ばれていましたが、12月の卒業式は比較的小規模。そのかわり博士号取得者は一人一人名前で呼ばれて壇上にあがって、学長と握手ができるというものでした。

会場を沸かせたのが、ミシガン大学から名誉博士号を授与され、ミシガン大学の生命科学研究長に招かれた人の祝辞。研究者としてもスーパーに優秀で高給取りなんでしょうけど、ギター弾きながら歌ってくれた"My Way"の替え歌もよかった。「宿題・レポートとか、ずーっと"I did it THEIR way"でやってきたけど、こんちくちょう 今日からは I'll do it MY wayだ!!」と。彼の熱唱に会場は総立ち、大声援が送られました。

2007年12月15日

親日派養成すすむ

ミシガン大学で日本語文法の講師をして2年半(5学期間)、その間に200名ほどの学生さんを受け持ったと思います。スペイン語でもドイツ語でもなく、難しい日本語をわざわざ受講するだけあって、みなさんとても親日派・知日派です。そして熱心に勉強していました。この二人の学生さんも私のクラスの受講生。今回、ひさしぶりに会って話してきました。来年は日本に行くために、JETプログラムやフルブライトに応募したそうです。受かるといいですね。Good luck.
 アニメを入り口に、親日派が増えています。特に、ミシガン大学日本語プログラムは、リーダーの岡まゆみ先生のおかげで、受講生がかなり増えています。中国語の伸びを抑え、日本語学科はここ数年で倍以上の規模に。すごい!

ミシガン大学を再訪

ミシガン大学にまた来ました。日曜日の卒業式に出席したり、いろいろな人に会ったり。ひさしぶりの雪を懐かく踏みしめました。

2007年12月14日

新世紀エヴァンゲリオン@ロス空港

ロサンゼルス空港で、アニメの「新世紀エヴァンゲリオン」のバッグを持っている人がいました。写真中央にピンボケですが、NERVの赤いロゴが写っています。出発直前の飛行機に乗り込むらしく、この人は大急ぎで行ってしまったので、話しかける機会を逸してしまいました。ニュージーランド航空の飛行機に乗るようで、アメリカに住んでいる人か、ニュージーランドの人か、どちらかでしょうね。

2007年12月5日

UCLAにクラスメートを訪ねて

ミシガンでのクラスメートがUCLAにvisitingしている(客員研究員)ので、彼女を訪ねてきました。写真中央が彼女、左に写っているのはMeyer-ter-Vehn助教授。ミシガン大学でのオフィスは一緒だったし、アドバイザーも一時期同じであったり、色々な意味で「苦楽をともにした」クラスメートです。

ミシガン大学では男女問わず、MICHIGANのTシャツをきて、寝巻き同然で出歩いている学生が多かったのですが、UCLAの学生さんたちはみな良い身なりでした。

2007年11月24日

実験社会科学@北海道大学で報告

「実験社会科学-実験が切り開く21世紀の社会科学」というカンファレンスで発表してきました。2日半のプログラムで、経済学・心理学を中心に8人の先生方が報告。そのなかで私は、アメリカの「IRB」という実験研究における被験者保護の手続きについて説明しました。参加者は50名ぐらいだったと思います。

IRB(Institutaional Review Boardの略)は、実験研究計画を事前に審査する内部委員会のことで、日本でいう「倫理委員会」みたいなものでしょう。人間を対象とする研究(人文・社会科学も含む)をするほとんどの大学に設置されています。被験者を含む研究は、ひとつひとつ全てIRBの事前審査を通過しなければなりません。IRBは詳細で具体的な研究計画を要求し、計画書だけでも数十ページになることもあります。そして、審査基準がまた極めて厳しい。被験者に危害がおよぶ可能性が少しでもあれば、それに対する処置が厳格に求められます。

私の報告では、現在の運用事情を紹介した上で、この制度の悲しく恐ろしい歴史的背景(タスキーギ梅毒研究、アイヒマン実験など)を説明しました。1960年代のアメリカでも、同意も得ないままに研究目的で肝炎ウイルスを人に注射したり、サルの腎臓を人に移植したりと、被験者の人権を無視した人体実験が数多くなされていました。こうした事件の反省を受けて導入されたのがIRBだったわけです。社会科学でなされるインタビュー調査や経済実験などのように、被験者・協力者に身体的危害が及びそうにない研究でも、プライバシー侵害や被験者の不利益となる場合があります。たとえば、職場の上司にアンケート内容が間接的にでも知られてしまう状況などは許されません。こういうわけで人文・社会科学の研究にも、IRBの厳格な審査が要求されています。最近は、これが研究者を悩ませています。

この「実験社会科学」は文部科学省の特定領域研究に選ばれており、会場は、中心メンバーの1人の山岸俊男先生がいらっしゃる北海道大学でした。札幌市内では22日から始まったライトアップがきれいです。

2007年11月20日

大きくなったカエルたち

8月のあの頃(写真)に比べて、ずいぶん貫禄が出てきた。色も、なんか濃くなってきたし。そろそろ越冬準備かな。

2007年11月17日

遠方より朋来たる

ミシガン大の同僚がLA付近で用があるというのでカルテックまで来てくれました。ミシガン大学の学生だった私が、指導教官に派遣されてカルテックに来たのは2004年。そのときは、カルテックで働いていた彼に会うためでした。いまは立場がちょうど逆転して、私がカルテックで働き、彼がミシガン大の学生です。

この人は敬虔なクリスチャンだからか、(日本流)少林寺拳法をやっているからか、とにかく規律正しいんですね。いつもしっかり記録をつけながら仕事をしているし、タスクリストの管理もきちっとしています。それにとても繊細でやさしい。いい人です。

2007年11月10日

ヴァリアン(Varian)もAdWords使う

Microeconomic Analysis週末に出席したCaltechとYahoo!との合同コンファレンスに、ハル・ヴァリアン(Hal R. Varian, UCバークレー)も来ていました。昼ごはんのとき同じテーブルだったのですが、彼がひたすらベラベラ話すのを聞いていました。ミシガン大学にいたときに彼が書いた教科書(→写真)は、私も日本で大学生のときに読んでいました。そのときはVarianといえば「ミクロ経済学の英語の教科書」のことでしたね。

超有名な彼でも自分の本をGoogle広告に出していたそうです。キーワードは「ネットワークの経済学」だったらしい。私もさっそく真似して、自分のブログの広告をGoogleに出してみました。なるほど、Googleでいくつかの関連キーワードを検索するとスポンサーリンクとして私のブログが出てくるようになりました。おもしろい。

Varianが書いたGoogle広告オークションについての論文がいくつかwebにありますね、たとえばこれ(PDF)。SEOをするなら必見でしょうか。

2007年11月9日

一橋大学でセミナー発表

一橋大学で発表。学生のとき以来ですから、ひさしぶりです。いろいろなバックグラウンドの先生方に聞いていただくことができ、非常に勉強になりました。お世話になった山重先生には大変感謝です。(兼松講堂の写真は大学webのものを借用しました)

2007年11月3日

オリーブ摘み@カルテック

なるほどこの学部の建物の前に立っているのはオリーブ並木だったわけですね。今日はカルテックのキャンパスでオリーブ摘みの日です。学生も先生もスタッフも参加自由ですが、前日に、はしごの上り下りの練習をしました。二人が、はしごと麻袋をもち、別のひとりがはしごに登って手でオリーブの実を落としていきました。オリーブ油を絞ってみんなで分けることになっているそうです。私もちょっと摘んでみました。オリーブ油楽しみですね。

2007年11月1日

吉野家@パサデナ

吉野家(Yoshinoya)がカルテックのすぐ近くにあります。牛丼(beef bowl)が$3.07。アメリカ吉野家の店舗は、ほとんどがカリフォルニア州の南部にあります。知り合いの日系アメリカ人から聞いた話では、カリフォルニア南部にはメキシコからの移民が多く、彼らが吉野家に来るからだそうです。ヨーロッパ系アメリカ人はコメを食べないから牛丼はファストフードとして定着しにくいとのこと。なるほど、ここパサデナの吉野家でもお客さんの半分以上はヒスパニックですね。もちろん安いということもあるけど、食文化としてコメになじみがあるんでしょう。

2007年10月30日

Noussair教授とばったり

アムステルダム大学の政治経済実験研究所(CREED)と早稲田大学21COE-GLOPEの共催のワークショップがありました。私は1日だけの日本滞在で時間がなかったのですが、なんとかレセプションだけにおじゃますることができました。

Noussair教授は、カルテックで93年にPh.D.をとっていまして、彼の指導教官はLedyard先生でした。Ledyard先生は今の私のボスですから、世界はやっぱり小さいですね。エモリー大学(Emory University)の准教授となりテニュア(終身雇用)を得た彼ですが、今年オランダのティルバーグ大学(Tilburg)に移りました。アメリカとヨーロッパとどちらが研究やりやすいですか? と聞くと、Tilburgのほうが断然いいとのこと。(世界ランキングで120位くらいの)エモリーにいても、研究資金はあまりまわってこないけど、Tilburgならやり放題だそうです。実際、アメリカの大学が上位を占めている世界ランキングでみても Tilburgはなんと25位くらい。そして、何よりもIRBがない! というのがいいそうです。納得。(写真右はNoussairさん、中央は奥さん)

2007年10月27日

インディアンスクールオブビジネス(ISB)の教授とばったり

ロサンゼルス空港のレストランでとなりの人に話しかけてみれば、あのISB(インド商科大学)の先生でした。ちょうどエグゼクティブMBAの1日レクチャーをしに行くところで、インド行きの飛行機を待っていました。聞けば、香港科技大ビジネススクールにも設立当初から籍を置いているようです。1時間以上、いろいろとビジネススクール運営について話を聞かせてもらいました。

学生3~400人ぐらいに対して、7~10人はプロの就職活動担当を置かないとだめだという話が新鮮でした。あいさつの仕方から履歴書の書き方、戦略的なキャリアプラン策定まで、徹頭徹尾、お世話しなければならないとのこと。それは当然といえば当然ですね。ビジネススクールのブランドは卒業生の就職先で計られるわけですから。もっと正確に言えば、ビジネススクール卒業後の年収が入学前と比べてどれだけ上がったか、という評価。ようやく競争が始まった日本の大学ですが、専門知識をもった就職担当者を10人以上おかないといけなくなる日も近いのでしょうか。

2007年10月22日

実験経済学会(ESA)で発表

ESA(アメリカの「実験経済学会」)で発表。毎年、アリゾナ州トゥーソン(Tucson)で開催されます、私は今回で3回目。学会の内容は別エントリーで書くので、ここではソーシャルイベントの目玉のポーカー大会を紹介しましょう。Rachel Croson さん(ペン大→テキサス大ダラス校)が毎年開催していて、今回は61人がエントリーしました。写真は4時間経った後の決勝テーブルで、中央に私が写っていますが、勝ち残ったわけではなくカードシャッフルの役を引き受け決勝戦を観戦していただけです。

行動経済学・実験経済学の専門家はオークションに詳しいということもあって、Yahoo! やら Google からスカウトが来ます。私の(写真に向って右)となりに座っているのは、David Reiley 教授(アリゾナ大)で今年は1年間だけ Yahoo! Research でアドバイザーをします(年棒は最低2000万円くらいでしょうか。来月会うときに聞いてみようかな)。同テーブルにいた別の人は Google から「うちに来ませんか?」と電話があったけど、断ったよと言っていました。

私のとなりでカードをディールしている人が、Rachel。この人がまたとても明るくいい人で、後人の指導を惜しまぬビッグネーム。ペンシルバニア大ウォートンビジネススクール准教授の彼女には企業からコンサルの依頼が殺到するそうです。彼女が前に話してくれたのですが、講演料をあえて「最低100万円にしておかないと断りきれない」というほどでした。ところが、今年 family reason (家庭の事情)でテキサス大学ダラス校に移りました。世界ランキングで250位くらいのダラス校にとっては、世界トップのウォートンから彼女が来てくれたのは、棚ボタというと失礼ですが、まあそういうことでしょうね。

こういう「へー、そうなんだ」という話はソーシャルイベントでしか聞けませんね。実験経済学ならESAが本場だと思うのですが、日本から参加するリサーチャーがいないのがちょっと残念です。

2007年10月20日

周りの乗客にも責任はあるのでは

ベビーカーが山手線のドアにはさまれ、そのまま列車が動きだしてベビーカーが引きずられたという事件。

この事故に関連して登場した、ベビーカーを取り扱う会社(Aprica アップリカ)のコメントに失望。NHKに出た、若いくせに親父然とした担当は、
「電車に乗る時には使用者の自己責任でたたんでくれ」
というようなことを言っていた。

自分の会社で「あたたかい心を育てる運動」をやっているんなら、「(子供は国の宝です。) 乗客のみなさまもあたたかい心でベビーカーが近くにいたら手を貸していただければ。」みたいなことを伝えるとかできたんじゃないか、NHKで宣伝できるのに、もったいない。しょせん、子育てしてない背広組ばっかりの会社なのかなと思ってしまった。

NHK9時のアナも、「まわりの人もたまには(時には)手を貸しましょう」だそうだ。ここでは、「なるべく」とか「できるだけ」と言ってほしい。私はベビーカーを見た時は必ず手を貸すようにしていますけど、こういう発言は男性として恥ずかしい。

国内育児用品メーカーのコンビを見習ったらいいんじゃないでしょうか? コンビ社は男性社員に育児休暇5日間の取得を義務づけている。こういう会社の製品を買いたいと思いますね。

2007年10月16日

アメリカに電話したのに、インドにつながる

シンガポール航空(在米電話)に電話したら、どうやらインドにあるコールセンターにつながった。インドアクセントの英語だったから、「ところであなた、アメリカの外にいるんですよね、インドですか?」と聞いたら、そうだというので、「どこですか? バンガロール?」と続けると、"マラッシャ"といわれました。どこだろう。ヘラルドトリビューンに関連記事がありました。

正式にカルテックメンバーに

9月末に米国政府からの労働許可証が届いたので、カリフォルニア工科大学の正式なメンバーとなりました。今朝、人事課(写真)に行って保険加入の手続きやコンプライアンス書類に署名してきました。学部にも"Non-Professorial Faculty"の一員として載ってますね。http://www.hss.caltech.edu/ss/faculty/kan

2007年10月15日

涼宮ハルヒの憂鬱@カルテック

ミシガン大学でも日本アニメファンクラブってのがあって、月1回は大教室を夜中まで借りきって、日本で放映されている旬なアニメを大スクリーン(小さな映画館の規模)で上映してくれる。"fansub"といって有志がつけた英語字幕入りを流すので、アニメ自体は日本語のままだ、ありがたい。つい1週間前に日本で放映されたようなものでも、録画されてfansubがついて、アメリカで見ることができる。米国ライセンスやDVDを待っていては、旬に追いつけないというわけだ。まさに日本のJソフトパワーの最前線。麻生太郎さんも読んでいた「ローゼンメイデン」やら「蟲師」も上映したし、デスノートもパラダイスキスも私はミシガン大アニメクラブのおかげで大画面で鑑賞することができた。パラキスじゃ涙ながしてしまいましたよ。

ここカルテックは小さな大学ですが、理系の大学というだけあって、やはりアニメオタクはいるんだな。毎週、みんなで集まってテレビでDVD(米国ライセンス済み)を観ているようだ。今回は、日本のアニメファンの間で流行っていた『涼宮ハルヒの憂鬱』と『のだめカンタービレ』などを鑑賞。私はハルヒを観てみたかったので、おじゃました。米国人アニオタに囲まれた生暖かいマターリとした週末の夜でした。(写真は第5話)

2007年10月13日

紙ナプキン・ペーパータオル

ランチセミナーで発表したあと、サンドイッチを食べているのですが、ペーパータオルがいりますね。とにかくなんでも大きいなあ、アメリカは。大口あけて食べては、ペーパータオルで口をぬぐうというスタイルが結構ありますね、チキンウィングとかBBQとか。ペーパータオル、もったいない。

Caltech セミナーで発表

Caltechのランチセミナーで発表しました、参加者は約20名でした。写真中央が私のボスのJohn Ledyard(レジャード)先生。Ledyard (1984) が投票行動についてのモデルを Public Choice に発表しているのを知ったのが大学3年生の時でして、私が計算したかったことをずばりやっていたので、頭いい人もいるもんだなと思いました。その人が私の雇い主になるとは、思いもしませんでしたね。この人もめちゃくちゃやさしい人です。

写真は、レジャード先生が別の質問者にコメントしているときの様子です。

2007年10月12日

シンガポール航空>> (壁) >>NW

シンガポール航空(成田からロスまで)に乗りました。東京-デトロイト直行便があったので、私はいままでノースウエスト航空(NW)に15万マイル以上乗ってきたと思います。やはり、NWとシンガポール航空の間には超えられない壁がありますね。NWはスナックをほうり投げますが、シンガポール航空の乗務員の人はヘッドセットやスナックを乗客の一人一人に手渡ししてくれます。エコノミーなのに、離陸前のウェルカムドリンクも出ました。

チケットは1週間くらいまえにHISで80300円で購入、たぶんマイルは付かないかな。ちなみに、NWは11万円以上。もうNWは選ばないと思う、名前のとおりNorthworst (ノースワースト)航空です。NWではエリートステイタスなのでビジネスクラスカウンターでチェックインするのですが、誰も、誰ひとりとして荷物を持ってくれたことはありませんでした。係りの人がセルフチェックイン機の横に立って、いちいち馬鹿丁寧に操作を手伝ってくれます。画面見れば操作方法ぐらいわかりますよ、PC使ったことないおじいちゃんじゃないんだから。それなのに、荷物を運ぼうともしないんですね。今日乗ったシンガポール航空のチェックインでは、係りの人がちゃんとトランクを計量台に乗せてくれましたよ。

2007年10月10日

逆カルチャーショック:こちらこそ恐縮です

逆カルチャーショック、明るい方。これは日本のサービス水準の正確さ、丁寧さでしょうか。

コンビニに行って100円のものを買っても、ありがとうございました。と言ってくださる。アメリカは「客がありがとうという国((c)Kan Takuechi)」ですから、たとえばマクドナルドに行けば、「つぎぃ! いらっしゃい。で、なに食べるの?  コンボ3? 飲みモンは?  5ドル22. 」という対応が普通です。

時間指定サービスが時間どおりに来ることなんて、降水確率30%で雨がふるようなもんですし。それに比べて、日本のサービス水準の高いことといったら、涙がでてきます。この正確さ・丁寧さは、きっと世界一でしょうね。感涙。

逆カルチャーショック:もうちょっと他人に話しかけよう

日本を出て外国にいて経験するのがカルチャーショック、日本に帰ってからのは「逆カルチャーショック」といいまして、後者のほうがきつかったりします。

電車に乗っていて、妊婦が乗ってきても、赤ん坊を抱えた親が乗ってきても、誰も席をゆずらない。これにはかなり、驚いた。先週、成田行きの京成特急に乗っていた時のこと。赤ちゃんを抱えたお母さんが途中駅で乗ってきて、席が空いてなかった。それでも立っているのは彼女だけ。私はドアから7席離れた車両の端にいたので、ちょっと遠い。彼女の立っているところまで9席分くらい離れていました。近くのだれか譲るかなと10秒ほど待っていましたが、結局、誰も動かなかったので、わたしのところまで来て座ってもらいました。どうも助かりますー、とのことで、お子さんの体重は9kgほど。15分ほどしてその親子はまた降りて行きました。

もちろん、アメリカではみんなが席を譲るというわけではないし、地域差がものすごくあるわけですが、東京に帰って実感するのが、他人同士が存在を無視することで都市生活を営んでいるということ。結果、あまりにもみんな他人に冷たい。ちょっとしたことで他人に話しかけると、宗教の勧誘かナンパか「ちょっとおかしな人」扱いですね。私はアメリカナイズされちゃった「ちょっとおかしな人」なんでしょう。思えば遠くへ来たもんだ。

2007年10月6日

カメレール博士に聞く

お! なんと日本ではカメレール博士としてテレビCMに出てたんですね Prof. Colin Camerer (コリン・キャメラー教授)。さっそく本人をつかまえて、「日本のCMに出てるんですね! びっくりしました。」と話を聞いてみました。どうやらいきなり広告代理店からメールで連絡があって、行動経済とか心理学とかを研究している authentic な一流教授を探している日本の証券会社があるんだけど、カメレール先生、そのCM出演に興味ありませんか? と聞いてきたそうです。ロケは全部で1日だけ。トレーラーが4台がこのカリフォルニア工科大学に来て、いっきに撮影をしたとのこと。(うち1台はメイキャップ車、まゆげもトリムしました)。

日本から来た監督は英語を話さないので、ジェスチャーで「演技指導」を受けたそうです。おもしろかったのが、上の画面で Colin が来ているジャケット。Authenticな (ホンモノの)教授が着るものを、と言われて Colin 本人はいつもの短パンやらTシャツを用意したんですが、もちろん、日本人からみた "authentic" な感じの教授じゃない。結局、撮影スタッフが用意した衣装を全部着させられたそうです。CMを見たときに、どうも「らしくないな」と思いましたが、やっぱりか。
(追記:日経ビジネスアソシエにインタビュー記事を書きました
脳と行動の関係を解明、より良い選択を目指す」)


ここカルテックは10月が新学年のスタート。今日は学部主催の新年会で、なかなかおいしいディナーをいただきました。初めに配られたザクロのカクテルも地元のビールもうまかったです、ごちそうさま。

2007年10月2日

セコイア国立公園(世界一の大木)

セコイア国立公園までパサデナから車で4時間弱ほど。なかなか大きい樹ですね。写真のとおり、周囲が晴れ渡っているため、森の奥にひそむ秘樹という感じはなくて、むしろアメリカ的にドバーンと大きかったです。写真にうつっているのは、たしかThe House と名づけられたセコイヤたち。いろいろなところにこのサイズの樹木が突っ立っています。とにかく大きい。写真をよくみると人がひとりいますね、その横にフツーのサイズの丸太がころがっています。この丸太とセコイア本体とを比べてみれば、セコイアの巨大さのイメージがわきますでしょうか。

標高が高いため、意外と寒いので注意しましょう。

2007年9月23日

日本経済学会で発表

日本の学会デビュー。水道橋の日大経済学部におじゃましました。いろいろな方ととお知り合いになることができ、とてもよかったです。yyasudaさんとはシカゴAEAぶりに再会、GRIPSは専任講師/准教授/教授じゃなくて、アメリカと同じように助教授/准教授/教授なんですね。いいな。

同業のお友達に「竹内さん、日本での学会はスーツ[着ないといけない雰囲気]ですから」と脅されていたので、念のため発表にはネクタイをしていきました。まあ、別にネクタイをしなきゃいけないということもなかったような気もして安心でしたが、ありがたいアドバイスを下さる方には感謝です。二日目は Caltech Tシャツを着て日大経済学部前にて記念撮影。受付をやっていた学生さんが一緒に写ってくれました。写真撮影のときのピースサイン、変遷はありましたが、復活なんですね。

2007年9月19日

豊かな生活環境

ミシガン大学キャンパスの東側に接しているのが、このニコラスアーブ。写真をとったのは晴れた日曜日のお昼なんですが、本当に空いています。町から歩いて20分で、入り口の森林にたどりつき、そこを5分くらいで抜けると、この草原が広がっています。さらに5分ほど行けば、ヒューロン川を眺めることができます。大学町なので文化設備(コンサートホール・書店・図書館・学術イベント)は完備されていて、それでいて緑豊か、夢のような生活環境ですね。

2007年9月18日

オフィス泊まり

意外と快適なので、オフィスにエアベッドを持ち込んで仮眠。下手な時間に外に出るのは不用心ですし。そういえば、イスラエルのワークショップで一緒だった人に会いました。同じくカルテックでポスドクをしているのだそうです。

2007年9月10日

大時計(同僚からのお祝い)

以前からほしかった壁掛け時計をお祝いにもらいました。かなり気に入っています!! 中央の本体部分が外側の大車輪を回転させていくので、一番上にいつも現在時刻が表示されるという仕掛け。写真をとったのは7時20分。これはすばらしい。

2007年9月9日

大学食堂のピザ

大学の食堂でピザを頼むとその場で作って焼いてくれて、1枚5ドル(580円)前後です。まあまあのできですね。写真にあるのは"マルガリータ"。すこし見た目がちがうけど、うまいのでOK.

2007年9月7日

米国永住権(グリーンカード)取得の基準

今日はCaltechでキャリアセミナーをやっています。大学院生やポスドクのための就職情報セミナーで、もちろんドーナツやコーヒーも出るので、立ち寄りました。朝一番のセッションは外国人向け("外国人(foreigner)"でも"留学生"でもなく、"国際学生(international student)"というんですよね、アメリカでは)。ビザやグリーンカードについての情報を解説していました。グリーンカード(米国永住権)の取得を最初から念頭においた説明でした。就職してH-1就労ビザをとり5年してからグリーンカードを申請するという流れなので、まだ就職先さえきまっていない学生相手にはずいぶん先の話です。それでもそのH-1をどの会社・大学でとるのかというのが重要になってくるから、就職活動を控えた人たちには必要な情報でしょう。

H-1ビザの申請費用を会社が持つのか、自分が持つのか、この辺を雇用主とネゴシエーションして分担を決めるあたりが、いかにもアメリカ的です。グリーンカード申請は弁護士を介して行うようで、その費用に6000ドルから10000ドル(70万円~115万円)くらいかかるとのこと。

グリーンカード取得の基準は5段階あるらしくて、第1の基準は学術分野に著しい貢献がある人とかなんとか。具体的には、ノーベル賞受賞者とかね、というくだりでみんな笑っていました。第2は outstanding なこと。CaltechのPhDなら大丈夫よ、みたいなことを言っていました。「あなたがたは大学コミュニティにいるから知らないと思うけど、世の中にはPhD(博士号)を持っていない人が lots of いるんですから。いや、本当よ。」ということでした。たしかにアカデミアにいるとPhDホルダーだらけ、というよりPhDホルダーしかいないですね。

2007年9月6日

自転車も安いアメリカ

私の自転車は中央の青いもの、targetで53.77ドル(6200円)でした。3×5段階のギアシフトつきです。こういうものはアメリカのほうが圧倒的に安い。

2007年9月5日

ふた付きマグカップ

フタがついたマグカップがアメリカには本当に多いですね。フタにある開閉式の穴からコーヒーをチューチューと飲みます。朝、車で通勤しながらコーヒーを飲むなんて習慣から商品化に結びついたのかもしれません。日本ではあまり見かけないような気がします。

写真のカルテックマグは、18ドルもしたので、ちゃんと本体・内側はステンレススチールでできています。ロゴの大きさもちょうどよくてかわいいです。

大学のノベルティグッズ販売高はどのぐらいなんでしょうね、アメリカじゃ、どの大学に行っても大学グッズがたくさん売られています。ミシガン大学でも学生さんの多くは大学Tシャツを着ていました。

ちなみにフタのことを英語でlidというようです。カバーとかキャップといっても全然通じないんですね。

2007年9月4日

Beckman講堂ライトアップ

カルテックには外灯みたいなものがあまりない代わりに、建物をライトアップして照明にしている。私のオフィスのとなりの Beckman 講堂を撮ってみた。屋根のデザインは秀逸です。(Caltech)

2007年9月2日

職場の花

ジェンダー役割分担が当たり前だったその昔、OLは「職場の花」といわれたんでしたっけ。最近は、そこまで露骨なことはなくなりつつあるようです。そんなわけで、私のオフィスの花として魚と植木鉢があります(植木鉢は連れ(@東京)からのプレゼント、ありがとうね)。ベタという魚は、手間いらずで、かつ表情豊かなので、もう2年ぐらい飼っています。

2007年9月1日

博士のガウン

博士のガウンを着てみました。ミシガン大学のものはスクールカラーの青がメインですね。大学卒業や修士・MBAレベルならば既製品のガウンが手に入るのですが、博士のガウンとなるとオーダーメイドしかありません。おかげでサイズはぴったりです。

アメリカの大学の卒業式では、壇上はとてもカラフルになります。列席する教授たちが全員、自分の出身校の博士ガウンをまとってくるため、各学校のスクールカラーが並ぶのです。

9月1日が新しい学年度の始まりなのですが、ここカルテックでは10月1日から新学期が始まるようです。クォーター制(1年4学期制)なんですね。

2007年8月26日

蓮の池とカエル

私のオフィスのある Baxter Hall を出たところに、長方形の池があります。蓮が繁茂していますが、カエルがたくさんいて、じーっとしています。写真にも3匹仲良く座ってます。小さな魚もたくさんいますし、本場のアメリカザリガニも底を巡廻しています。

2007年8月25日

カリフォルニア工科大学 (CalTech カルテック)につきました

カリフォルニア工科大学(通称:カルテック)に研究員としてしばらく滞在します。ついに一人部屋オフィスを持つことができました。だいたい6畳一間という広さですが、贅沢だなあと思います。感謝!

カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)の世界ランキングを宣伝しておきますと、英国のタイムズが発表するTimes Higher Education Supplement(THES)では世界7位、上海交通大学の発表では世界6位、Newsweekでは4位となっています。日本での知名度があまり高くないのは、大学規模が小さいからかもしれせません。そのかわりカルテック・コミュニティは関係者同士、とても親切なんだそうです。

2007年8月4日

上海交通大学で発表

ESAの第3回アジア太平洋大会は上海交通大学で開かれました。私の指導教官ヤン・チェン(Yan Chen)先生が主催委員長ですので、私も当然参加します。会場の上海交通大学は江沢民の出身校で、最近は、世界大学ランキングをつくっていることでも有名になっています。

大学ロビーの電光掲示板に"亜洲一流"(アジアトップ)を目指して、"努力、努力、再努力"と流れるあたりが共産圏を実感させますね(写真)。昼食では大学職員の数名と同席したのですが、みなさん上手に英語を話すので驚きました。英語を話せることが採用条件(requirement)なのだそうです。たしかにがんばってますね。


カリフォルニア工科大学からは Colin Camerer先生と Tom Palfrey 先生が来ていました。写真は Neuroeconomics(ニューロエコノミクス; 神経経済学; 行動経済学)について解説する Colin(カメレール博士)。彼は、18才でJohns Hopkins大学を卒業して、20才でシカゴ大学MBA、22才でシカゴ大学でPhDをとっているんですね、すごい人です。プレゼンも面白かった。

fMRIに映る脳の活動状況を、夜のオフィスビル(どのフロアの電灯がついているか)と対照させて説明していました。たとえば、経理部門、営業部門、取締役会などは、それぞれがちがった機能をもち、ちがったことを考えて動いています。したがって会社全体が直面している状況によって各々の部門の働き方がちがうわけです。それは夜のオフィスビルを外から眺めればだいたいわかるはずです。経理部門のフロアの電灯がずーっとともっているのなら、おそらく会社は決算期直前なのではないかといった具合です。fMRIの画像もそれと同じだということでした。脳にはいろいろなパートがあり、それぞれが独自の役割をもって活動していて、それがfMRIに映るのでしょう。

2007年7月25日

カリフォルニアまでドライブ 3590km

ミシガン州からカリフォルニア州まで、2231マイル(3590km)を走ってみました。東京から沖縄まで行ってもせいぜい1550kmです。3590kmだと東京からベトナムくらいまであります、アメリカは広大。カリフォルニアのパサデナ市(Pasadena)に着く4時間手前のラスベガス付近でブレーキが壊れたので、高速道路を降りました。そこまでで、ガソリン272㍑(72 galon), 実走行時間37時間, 平均走行時速54.3 mile (87.4km)でした。制限120km/hのところが多かったので、かなり速いですね。