少し前から、派遣や請負労働が問題視されるようになってきました。NHKの「フリーター漂流」という番組には、まるで機械のパーツのように使い捨てにされる請負労働者の姿が描かれていました。
この番組を見て思い出したのは、1995年に「オブジェクト指向型経済」という言葉を思いついたことです。企業経営や事業の遂行において、すべての業務が細分化され、ひとつひとつがアウトソーシングによってパーツ化されることをイメージした言葉です。会社という母体はなくなって、本社には経営部分(持ち株会社)だけが残る。そして、いままでの会社というものは、本体とは完全に切り離された部署(パーツ=オブジェクト)の寄せ集めになるんだろうなという予想から思いついた言葉。業務をどんどん細分化していけば、社員もいらないし、仕事を全部アウトソーシング・外部委託できるはず。派遣社員、業務請負だけで企業を動かすことも可能になってしまうのかなと考えたわけです。
95年当時、Visual Basic というオブジェクト指向のコンピュータプログラムを使ってみて得られた実感と、ミクロ経済学をまじめに勉強しはじめて得られた直感から、作ってみた言葉でした。オブジェクト指向プログラムには本体部分がなく、個別の機能を備えたパーツ(オブジェクト)の集合体で全体が構成されるようなコンピュータ言語だということです(専門じゃないんで不確かですが)。
あれから13年たち、アメリカから帰って日本で働き始めてみると、当時は「思いつき」のつもりだった言葉が現実味を帯びてきたのかなと感じます。
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