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Multi-object auctions with package bidding: An experimental comparison of Vickrey and iBEA", Yan Chen and Kan Takeuchi,
Games and Economic Behavior, Volume 68(2), pp.557-579 .
ミシガン大学にいたときに取り組んでいた組み合わせオークション実験の論文が Games and Economic Behavior誌に掲載予定となりました。印刷版に先行して、オンライン版が閲読可能です。複数の財を同時に売り出すのが「組み合わせオークション(複数財オークション)」です。入札者が複数の財を組み合わせて「パッケージ」とすることができて、そのパッケージごとに値段が異なるというメカニズムが特長です。このオークションメカニズムに関して、実験をしてメカニズムのパフォーマンスを検定してみた論文です。
組み合わせオークション(combinatorial auction)は、たとえば、テレビなどの電波利用権の入札に応用されています。米国のように電波利用権を地域ごとに設定した場合、1地域での電波利用権が1つの財ということになります。地域をまたがって(あるいは全国規模で)電波を利用したい場合には、地域利用権を組み合わせて「パッケージ」とし、そのパッケージに入札すればよいのです。
勝手な数値例ですが、たとえば、テレビ地上波の電波利用権を地域ごとに入札にかけたとき、
関東地方で600億円、
東北地方で100億円、
という経済価値がある場合でも、
関東地方+東北地方 = 1000億円