一橋大学の学部生対象の講義に妻と一緒に参加しました。講師は、山田正人さん。経済産業省の課長補佐だった2004年から1年間の育児休業を取得し、その体験を『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』として出版された方です。ご著書には、、当時2歳だった双子のお子さんと、生まれたばかりのご次男の育児の様子が生き生きと綴られています。第一子の出産を間近に控えた妻に勧められて読んだところ、これから自分がどんな体験をするのか、リアルにイメージすることができました。本を通して語られる山田さんのメッセージにも、とてもとても共感しました。
講義を聞き、育児がいかに大変かあらためて分かりました。育児休業を取得した当時、山田さんはキャリア官僚として13年間の経験があり、部下もいました。「でも、育児では0年生」ということで、失敗もたくさんあったそうです。「育児"休業"といいますが、"休み"という感覚は全くありません」という言葉に大変さが表れています。
一方で、1年間、子供たちと向き合ったことで、「無償の愛」を知ったと山田さんは言います。また、他人に対する見方も優しくなったそうです。かつては40点の仕事しかできない部下に対して、100点満点を要求するような上司だったという山田さん。今は「この人は0から40点にまで成長したんだなあ。親御さんはどんな気持ちかなあ」と微笑ましい思いさえするそうです。何も分からない新生児をゼロから育てたことで、人間を見るときの幅に広がりが出たようです。
このお話を聞いて、ミシガン時代の指導教官(Yan Chen教授)を思い出しました。彼女は2人の子供を育てながら朝3時起きで研究を続けています。人並み外れた努力の結果、昨年、ミシガン大学で正教授になりました。私に対する指導は文字通り「仏」のようで、常に励ましに満ちたものでした。もともとの性格に加え、育児経験が優しさにつながっていたのかもしれません。
講義の後、山田さんからご著書にサイン(写真)をいただきました。私も先輩パパを見習ってがんばりたいと思います!
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