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大航海時代に、長い航海の間に船員の多くがこの病気にかかったそうです。ただし、オランダの東インド会社所属の船乗りたちは、新鮮な野菜が壊血病に効くことを経験的に知っていました。
ところが、その知恵がなかなかシェアされない! オランダ海軍にも伝わらないほど。以降、人類の壊血病とのながいながい戦いがはじまるわけです。いろいろな実験をしてみるのですが、実験デザインが稚拙であったり、思い込みでデータを解釈したり。「新鮮な野菜」というごく簡単な答えを得ることができず、何世紀もずーっと、壊血病の原因をさがしさまよう歴史をすこしお話しました。いわく、湿気だ、熱気だ、伝染病だ、腐った肉だ、はたまた、便秘だ、といろいろさまようわけです。モルモット実験をした結果、野菜の繊維不足がもたらす(おしい!)便秘が原因、下剤をのませよ。だとか。答えを知っているわれわれからみれば滑稽ですが、当の本人たちは至極真剣。それでも多数の死者が出続けたのでした。
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(松本城すばらしかった)